ウェブブラウザの開発競争が新たな段階に入り、検索機能だけでなく、AI(人工知能)がユーザーの代わりに作業を行う機能が焦点になっているということです。グーグルの「Chrome」やアップルの「Safari」が市場を独占する中、AIを活用した新たなブラウザが次々と登場しているとしています。
2026年には、資金力のあるスタートアップから大手IT企業までが新規参入し、ブラウザを単なるウェブ閲覧のツールから、ユーザーの業務を代行するアシスタントへと進化させる戦略を打ち出しているということです。ChromeやSafariの代替を求めるユーザーに向け、AIを活用したブラウザや、カスタマイズとプライバシーを重視するオープンソースのブラウザ、さらにユーザーの健康を重視する「マインドフルブラウザ」など、多様な選択肢が登場しています。
アメリカのIT企業「Perplexity(パープレキシティ)」は、2025年7月にAIを搭載したウェブブラウザ「Comet」を発表しました。チャットボット型の検索エンジンとして機能し、メールの要約やカレンダーへの予定追加などを代行するということです。現在は月額200ドル(約3万1000円)の最上位プランの利用者に限定されていますが、待機リストへの登録も受け付けているとしています。
スタートアップ企業の「The Browser Company」は、昨年の夏にAIを中心としたブラウザ「Dia」を発表しました。ユーザーが閲覧したすべてのウェブサイトを学習し、情報の検索やファイルの要約を支援する方針です。現在は無料で提供されています。
「Opera(オペラ)」は2025年5月、AIエージェント機能を備えたブラウザ「Neon」を投入しました。文脈を理解し、調査や買い物、プログラムコードの作成などを行うとしています。オフライン環境でも作業を実行できるのが特徴で、利用料は月額19.90ドル(約3100円)ということです。
一方、「OpenAI」は昨年10月にAI搭載ブラウザ「Atlas」を発表しました。しかし、その後ブラウザの提供を終了し、ユーザーの作業を代行する機能を「ChatGPT」のアプリなどに統合する方針を示しました。
このほか、独自の自動化プラットフォームを組み込んだ「Aside」や、閲覧履歴に基づいた推奨機能を提供する「Jatter」なども登場しています。「Jatter」は無料で利用できますが、月額10ドル(約1550円)の有料プランも用意されているということです。
プライバシー保護を重視する動きも広がっています。「Brave」は広告や追跡をブロックする機能を備え、独自の暗号資産を報酬として付与する仕組みを導入しています。また、「DuckDuckGo」は生成AI機能を追加し、詐欺サイトの検出機能を強化する方針です。
オープンソースによる開発も進んでいます。GitHubの共同創業者らが主導する「Ladybird」は、既存の技術に依存せず、ゼロから新しいブラウザを構築する目標を掲げています。今年中に初期テスト版が公開される予定だということです。また、高いカスタマイズ性を持つ「Vivaldi」も、ユーザーデータの追跡を行わない方針を強調しています。
さらに、ユーザーの精神的な健康や生産性に焦点を当てたブラウザも登場しています。「Opera」が2025年2月に発表した「Air」は、休憩の通知や深呼吸の演習など、マインドフルネスを支援する機能を取り入れているということです。
Mac専用の「SigmaOS」は、タブをタスクリストのように管理できる機能を備えています。無料で利用できますが、無制限の機能を利用する場合は月額8ドル(約1240円)のプランに加入する必要があるとしています。また、オープンソースの「Zen Browser」は、「より穏やかなインターネット」を目指し、画面分割などの生産性向上機能を提供しているということです。
