法務分野に特化したAI(人工知能)を開発するアメリカのスタートアップ企業「Harvey(ハーベイ)」は、新たな資金調達を実施し、企業価値が155億ドル(約2兆4025億円)に達したと発表しました。
今回の資金調達額は5億5000万ドル(約852億5000万円)で、投資会社のディフュージョン(Diffusion)とライトスピード・ベンチャー・パートナーズ(Lightspeed Venture Partners)が主導したということです。同社は今年3月にも、企業価値110億ドル(約1兆7050億円)の評価で2億ドル(約310億円)を調達していました。さらにその数か月前の昨年12月時点での企業価値は80億ドル(約1兆2400億円)とされており、わずか9か月ほどで企業価値がほぼ倍増したことになります。
今回の調達により、同社のこれまでの資金調達総額は15億5000万ドル(約2402億5000万円)を超えました。調査会社ピッチブック(PitchBook)の推計によりますと、同社は2023年以降、少なくとも8回の資金調達を実施しています。今回の調達ラウンドの名称は明らかにされていませんが、実質的に「シリーズF」に相当するとみられています。
ハーベイは数週間前、自社開発した初のAIモデル「Harvey Tenet(ハーベイ・テネット)」を発表したばかりです。このモデルは、公開されているAIモデル(オープンウェイトモデル)である「Kimi K3」を基盤とし、AI推論基盤を提供するファイヤーワークス(Fireworks)の協力を得て、法務データを用いた追加学習を行ったものだということです。
同社は自社モデルの提供にとどまらず、顧客企業に対しても独自のAIモデルを導入し、自ら追加学習を行うよう推奨する方針です。これにより、法務という専門性の高い業界において、オープンAI(OpenAI)やアンスロピック(Anthropic)といった特定の企業が開発する非公開の最先端モデルに依存することなく、AIを高度に活用できる新たな事例になるとして注目されています。
