アメリカのトランプ政権が、連邦政府のサイバーセキュリティー・インフラセキュリティー局(CISA)の長官に指名していたショーン・プランキー氏が、指名の辞退を申し出たと複数のメディアが報じました。これにより、同局のトップが正式に不在の状況が続くということです。
プランキー氏は水曜日、アメリカ大統領府に宛てた書簡で、就任に必要な上院での承認手続きが滞っていることを理由に挙げ、トランプ政権に対して自身の指名を取り下げるよう求めたということです。
プランキー氏がCISA長官に指名されてから1年以上が経過していますが、同氏は書簡の中で「上院で承認されないことが明らかになった」と述べているとしています。
アメリカの新聞「ニューヨーク・タイムズ」は木曜日、この書簡の写しを公開しました。政治専門サイト「ポリティコ」もプランキー氏の決定を報じています。両メディアによりますと、共和党のリック・スコット上院議員が、サイバーセキュリティーとは無関係の沿岸警備隊の契約問題を理由に承認を阻止しており、過半数の賛成を得る見込みが立たない状況だったということです。プランキー氏は以前、沿岸警備隊の幹部顧問を務めていました。
CISAでは、今年2月にマドゥ・ゴッタムッカラ氏が辞任して以降、ニック・アンダーセン氏が長官代行を務めています。ゴッタムッカラ氏は2025年5月に暫定的に同局のトップに任命されましたが、混乱が続く中で1年足らずで辞任していました。
CISAは、連邦議会から非軍事部門の連邦政府機関におけるサイバー防衛とインフラ保護の任務を委ねられています。アメリカ政府や同盟国に対するサイバー攻撃が多発する一方で、同局は過去1年間に少なくとも3回の政府機関閉鎖や一時帰休に直面しました。さらに、大統領府の指示による予算削減や人員削減も行われ、厳しい運営を強いられているということです。
トランプ政権は今月に入り、CISAの予算を7億ドル(約1085億円)以上削減するよう求めていました。これは、トランプ氏が敗北した2020年の大統領選挙において、CISAが選挙に関する偽情報に対抗する取り組みを行ったことを「検閲」だと主張したことによるものです。
大統領府の報道担当者は、プランキー氏の辞退の申し出を受理したかどうかや、今後の正式な長官候補を誰に指名する方針かについて、現時点ではコメントしていないということです。
