アメリカの司法省が、有力ベンチャーキャピタル「アンドリーセン・ホロウィッツ」に対し、競合する複数のAI企業の取締役を兼務しているとして、反トラスト法(独占禁止法)に基づく調査を行っていると報じられました。業界内では、この調査が他の投資会社にどのような影響を与えるのか、関心が高まっているということです。
アメリカの経済メディアの報道によりますと、司法省は過去約1年間にわたり、アンドリーセン・ホロウィッツに対する調査を進めているということです。同社の幹部が、データブリックス(Databricks)やファイブトラン(Fivetran)など、競合関係にある複数の企業の取締役会に名を連ねていることが、利益相反にあたる可能性があるとされています。
アメリカのIT専門メディアの有識者らは、この報道に対し驚きをもって受け止めています。スタートアップ企業は事業内容が変化しやすく、特に現在のAIブームの中では、当初は異なる分野だった企業が結果的に競合関係になるケースが少なくないためです。専門家は、「司法省が数ある課題の中で、なぜこの問題を優先して取り上げたのか疑問が残る」と指摘しています。
また、今回の調査が注目される背景には、政治的な要因も含まれているということです。アンドリーセン・ホロウィッツの経営陣はトランプ政権と近い関係にあるとされていますが、調査は長期化しています。さらに、バイデン政権時代には暗号資産などの政策変更に対してSNSで活発に意見を発信していた同社が、今回の調査については沈黙を保っていることも、異例の対応として受け止められています。
専門家は、司法省の狙いについて、業界を代表する大手企業を標的にすることで、他の小規模な投資会社に対する前例とする意図があるのではないかと分析しています。また、司法省や証券取引委員会(SEC)が、大手上場企業に対する追及を後退させる一方で、こうした個別の事案に焦点を移している可能性も指摘されています。
今後、この調査の行方が、他のベンチャーキャピタルの投資戦略や取締役の派遣方針にどのような影響を与えるのか、引き続き注目される見通しです。
