アメリカの聴覚支援技術を開発するスタートアップ企業「Legato(レガート)」は、1200万ドル(日本円で約18億6000万円)の資金調達を実施し、AIを搭載したメガネ型の聴覚支援デバイス「Legato Frames」を今秋に発売すると発表しました。
アメリカでは約5000万人の成人が難聴を抱えていると推計されていますが、実際に治療や対策を行っているのはそのうちの約20%にとどまっているということです。同社は、従来の補聴器に伴う費用や装着感、心理的な抵抗感といった課題を解決することで、この状況の改善を目指すとしています。
Legatoは、音響機器大手「ボーズ」などでウェアラブル端末や補聴器部門を率いた経験を持つメフル・トリベディ氏とスティーブ・ロミン氏によって、2024年後半に設立されました。トリベディ氏は「視力矯正のためにメガネをかけるのと同じように、聴覚ケアを日常的で当たり前のものにすることが私たちの目標です」と述べています。
今回発表された「Legato Frames」は、難聴者の大部分を占める軽度から中等度の人を対象としています。一般的なメガネと変わらない小型で軽量なデザインを採用したということです。
従来の補聴器は、特定の方向からの音に焦点を当てるマイクを使用することが多く、レストランなどの騒がしい環境では聞き取りが難しいという課題がありました。これに対し、同社のデバイスはAIを活用して背景の雑音と人の声を区別し、声だけを増幅させる独自のシステムを搭載しているということです。これにより、使用者の疲労を軽減し、より自然な会話を実現するとしています。
また、耳を塞がない設計でありながら、装着者にのみ音を届けるシステムを採用しています。耳から数センチ離れた場所では音漏れを99%削減できるため、周囲の人に音が聞こえる心配はないということです。
今回調達した約18億6000万円の資金は、主に製品開発とマーケティングに充てられたということです。
同社は、今年の秋に全米の指定された眼科医療機関を通じて製品の販売を開始する方針です。価格は従来の補聴器を大幅に下回る設定とし、眼科クリニックで購入した場合は視力保険の適用対象になる可能性もあるとしています。
