Googleは、英国政府から暗号化データへのバックドアの提供を求められていないと発表しました。これは、同社が初めてこのような要求を受けていないことを確認したものです。
今年初め、ワシントン・ポスト紙は、英国の内務省が秘密裁判所命令を通じてAppleに対し、世界中の顧客の暗号化されたクラウドデータへのアクセスを認めるよう要求していると報じました。Appleは、顧客のみがデータにアクセスできるように暗号化を行っており、同社自体はアクセスできないとしています。
英国法では、秘密監視裁判所の命令を受けた技術企業は、その命令の詳細や存在自体を公表することが法的に禁じられています。しかし、今年初めにその要求の詳細が漏洩しました。批判者たちは、この命令を「厳しい」とし、ユーザーのプライバシーに対する世界的な影響を懸念しています。Appleはこの命令の合法性について異議を申し立てています。
米国上院情報委員会のロン・ワイデン議員は、米国の情報機関トップであるトゥルシー・ギャバード氏に宛てた書簡で、少なくとも一社の技術企業が英国からの命令を受けていないことを確認していると述べました。Metaは、WhatsAppやFacebook Messengerでユーザーのメッセージをエンドツーエンドで暗号化しており、3月17日にワイデン議員のオフィスに対し、Appleに関する報道のようなバックドア命令を受けていないと伝えました。
Googleのカール・ライアン氏はTechCrunchに対し、「我々は製品においてエンドツーエンドの暗号化を回避するメカニズムやバックドアを構築したことはありません。製品がエンドツーエンドで暗号化されていると言う場合、それは事実です」と述べました。ライアン氏はさらに、英国の監視命令である「技術能力通知」を受けていないとも述べました。
ワイデン議員の書簡は、ワシントン・ポスト紙により最初に報じられ、TechCrunchに共有されました。この書簡では、英国の監視法および米国企業に対する秘密要求が国家安全保障に与えるリスク評価を公表するようギャバード氏に求めています。
この報道は、TechCrunchの問い合わせに対するGoogleの追加コメントを含めて更新されました。