アメリカのスタートアップ企業「ネクステリティ」は、配管工事における過酷で危険なボルト締め作業を自動化する遠隔操作ロボットを開発したと発表しました。
同社の創業者であるリンジー・エリオット氏は、大手エネルギー企業「エクソンモービル」の元エンジニアです。石油や天然ガス、石油化学製品を輸送するインフラの改善に長年取り組む中で、配管の接続部分に使われるボルト(フランジ継手)の作業課題に着目しました。
配管のボルトを締めたり緩めたりする作業は重労働であり、作業員の怪我の主な原因となっています。また、他の建設業界と同様に深刻な人手不足にも直面しています。エリオット氏によれば、北米の配管工は長期間にわたって1日12時間労働を強いられることもあり、生産性の低さが長年の課題になっているということです。
今回開発されたロボットは、配管を挟み込むように取り付ける2つの主要な部品で構成されています。バッテリーで駆動し、配管上をスライドしながら一度に4本のボルトを素早く締めたり緩めたりすることが可能です。
標準的な配管のサイズに合わせて複数のモデルが開発されていますが、いずれも専用のケースに収まり、作業員1人で持ち運べる小型サイズとなっています。これにより、新たな現場への導入が容易になるとしています。同社は、このロボットを建設機械のレンタルと同様の事業モデルで提供する方針です。
米国機械学会(ASME)などの業界関係者への調査によると、インフラで使われる配管の80%は直径2インチから8インチ(約5センチから20センチ)の規格に集中しており、高い再現性があることから自動化に非常に適しているということです。
エリオット氏は、「上下水道や水処理施設、食品飲料、鉱業、原子力、さらには環境に配慮した製造施設など、あらゆる分野で同じ種類の配管が使用されている」と指摘しています。その上で、このロボットが広く普及すれば、巨大な市場を開拓するとともに、現場の安全確保と労働環境の抜本的な改善につながるとしています。
