インド系の若き起業家が設立した宇宙技術スタートアップ、アポリンクは、低軌道衛星(LEO)のリアルタイム接続ネットワークを構築するために、約67億円(約4.3百万ドル)の資金を調達したと発表しました。この資金調達は、企業評価額約6975億円(約45百万ドル)で行われたということです。
現在、宇宙通信において衛星が軌道上で地上局と接続できない「デッドゾーン」が問題となっており、これが通信の断続的な中断の原因となっています。アポリンクは、この課題に対処するため、24時間体制での接続を目指しており、各軌道リングは256ユーザーに対応できる設計としています。
NASAは長年、TDRSシステムを利用して衛星とほぼ継続的に接続してきましたが、2022年に商業プロバイダーへの移行を発表しました。多くの商業システムが静止軌道や中軌道に焦点を当てている中、アポリンクはLEOに特化したサービスを提供する方針です。
アポリンクの創業者オンカー・シン・バトラ氏は、LEOの利点について「静止軌道よりも近く、顧客の衛星とのリンクを容易にすることができる」と述べています。また、彼は14歳の時に宇宙に興味を持ち、2022年にはインド初のオープンソース衛星「InQube」を開発しました。
アポリンクは、32基の衛星からなるコンステレーションを構築し、特定のハードウェアを持たない衛星にも接続を可能にする計画です。2026年第2四半期には、SpaceXのライドシェアを利用して最初のデモミッションを行う予定です。また、2029年までに商業用のコンステレーションを完成させる計画です。
このスタートアップは、すでに地球観測や通信、空間データの分野で140億円以上の意向書を企業から受け取っているということです。資金調達には、Yコンビネーターや468キャピタル、他の投資家が参加しました。
アポリンクは、4名のコアチームで運営されており、現在は宇宙機の統合とテストに注力しているとのことです。