ヨーロッパでは夏の休暇シーズンが終わり、資金調達の季節が再開されようとしています。2025年の上半期には、12のヨーロッパのスタートアップが1ビリオンドル(約1550億円)以上の評価額で資金を調達し、ユニコーン企業となったと発表しました。
2021年に比べて大規模な資金調達ラウンドは減少しているものの、これらの企業の成功は今後の投資の方向性を示す良い兆候とされています。特にバイオテクノロジー、防衛技術、AIなどの分野が投資家から注目されています。
2025年の新たなヨーロッパのユニコーン企業を紹介します。
スウェーデンのAIスタートアップ「Lovable」は、設立からわずか8ヶ月でユニコーン企業となりました。2025年7月にはAccel主導で2億ドル(約310億円)のシリーズA資金調達を行い、評価額は18億ドル(約2790億円)に達しました。この企業はデラウェア州に登録されていますが、主にストックホルムに拠点を置いています。
イギリスの再生可能エネルギー企業「Fuse Energy」は、2022年に設立され、元Revolutの幹部2人によって創業されました。7月に1ビリオンドル(約1550億円)以上の評価額で資金調達を行ったと『The Times』が報じています。
映画ストリーミングサービス「Mubi」は、6月にSequoia Capital主導で1億ドル(約155億円)の資金を調達し、評価額は1ビリオンドル(約1550億円)となりました。2007年に設立され、今では映画の制作と配信も行っています。
フランスのスタートアップ「Zama」は、5,700万ドル(約880億円)のシリーズB資金調達を行い、評価額は1ビリオンドル(約1550億円)を超えました。この企業はデータを保護するための暗号技術を開発しています。
ドイツの宇宙スタートアップ「Isar Aerospace」は、6月にEldridge Industriesとの間で1億5,000万ユーロ(約247億円)の転換社債契約を結び、ユニコーン企業となりました。この企業はミュンヘン工科大学からスピンオフされ、現在22のユニコーン企業を輩出しています。
ポルトガルのドローンスタートアップ「Tekever」は、5月に1ビリオンポンド(約2070億円)以上の評価額で資金調達を行ったと発表しました。この資金はイギリスにおける開発計画に投資される予定です。
ドイツのスタートアップ「Quantum Systems」は、5月に1億6,000万ユーロ(約264億円)のシリーズC資金調達を行い、グローバル展開と生産拡大を進めています。
ドイツの会話型AIプラットフォーム「Parloa」は、5月に1億2,000万ドル(約186億円)のシリーズC資金を調達し、評価額は1ビリオンドル(約1550億円)に達しました。
ロンドンに拠点を置くAI医薬品発見プラットフォーム「Isomorphic Labs」は、3月に6億ドル(約930億円)の資金調達を行い、ユニコーンの仲間入りを果たしました。
ダブリンに拠点を置くスタートアップ「Tines」は、2月に1億2,500万ドル(約194億円)のシリーズC資金を調達し、評価額は11億2,500万ドル(約1744億円)となりました。
ロンドンに拠点を置くバイオテクノロジー企業「Verdiva Bio」は、1月に4億1,000万ドル(約635億円)のシリーズA資金を調達し、ユニコーン企業となりました。
スウェーデンの予防医療スタートアップ「Neko Health」は、1月に2億6,000万ドル(約403億円)のシリーズB資金を調達し、評価額は18億ドル(約2790億円)に達しました。企業は健康維持を目的とした全身スキャンを提供し、グローバル展開を進めています。