AIクローラー企業ファイアクローは、シリーズAラウンドで21億円(約14.5百万ドル)の資金を調達したと発表しました。このラウンドは、インドの投資会社ネクサス・ベンチャーズ・パートナーが主導し、ショピファイのCEOトビアス・リュトケ氏や既存の投資家であるYコンビネーターも参加しています。
ファイアクローは、開発者やAIエージェント向けの人気のあるオープンソースウェブクローラーを提供しており、APIを通じた商用サポート版も展開しています。現在、35万人の開発者に利用され、GitHubでは約5万のスターを獲得しています。顧客にはショピファイ、リプレット、ザピアー、さらには世界最大級のヘッジファンドも含まれているということです。
同社は最近、検索をサポートするAPIをリリースし、近いうちに自然言語プロンプトのサポートも追加する予定ですと、共同創業者兼CTOのニコラス・シルバースタイン・カマラ氏は述べています。
ファイアクローは2022年にカマラ氏とCMOのエリック・チャーラ氏と共に創業されました。リュトケ氏を投資家として迎えられたことについて、共同創業者兼CEOのケイレブ・ペファー氏は「最高の承認を得た」と述べています。
AIウェブクローラーは、ロボット.txtファイルを無視する悪質な行為者によって評判が損なわれることもありますが、AIの発展において必要不可欠な存在です。AIはウェブ上で学習し、エージェントは業務を遂行するためにウェブページにアクセスする必要があります。また、企業は自社のウェブサイトを学習や運用のために利用するため、個別のクローラーを必要としています。
ファイアクローの創業者たちは、業界の課題を解決することも目指しています。ウェブサイトの所有者や出版社、コンテンツクリエイターが「AIが彼らのコンテンツを利用する際に報酬を受け取れるようにする」ためのツールを開発しているということです。ペファー氏は「これがあるべき姿だと思います」と語っています。
また、ファイアクローは数ヶ月前、AIエージェントを社員として雇用するための求人広告を出したことで話題になりました。15,000ドル(約230万円)の給与でAIエージェントを雇用するというものでしたが、適任者は見つからず、予算を1億5千万円(約1百万ドル)に増額して再挑戦しています。しかし、まだ採用には至っていないということです。現在はAIチーフオブスタッフを探しているとしています。
ペファー氏は10月に開催されるイベント「ディスラプト」に登壇し、AIエージェントを初期社員として雇用することの利点と欠点について議論する予定です。