シリコンバレーでは、快適なオフィスとバリスタがいる会議室が一般的ですが、HappyRobotの元エンジニアであるアリ・ポラコフ氏は、自身の会社を立ち上げる際に、整備士の隣でサービスベイでノートパソコンを叩くことになるとは思っていなかったと発表しました。
ポラコフ氏と兄弟のアレン氏(共にHappyRobot出身)がY Combinatorで設立したFlaiは、元Netflixのデータサイエンティストであるフアン・アルズガライ氏と共に、自動車ディーラーでの車の購入、販売、サービスの体験を改善するためにAIを利用するスタートアップの一つです。
Flaiは、ディーラー環境に特化したソフトウェアを一から構築しました。このソフトウェアは「オムニチャネル」と呼ばれ、電話(音声エージェント使用)、メール、テキストメッセージ(大規模言語モデル使用)を処理できるということです。
最近、Flaiは450万ドル(約7億円)のシードラウンドを完了し、構築したものを拡大する方針です。このラウンドは、First Round Capitalのリズ・ウェッセル氏が主導し、YC、RedBlue Capital、ジョー・モンタナのLiquid 2 Ventures、Innovation Endeavorsからの資金が含まれています。
FlaiのCEOであるポラコフ氏は、Flaiの提供するサービスは市販の音声技術を使用していない点で異なり、すべてを一から構築したとしています。このため、Flaiの音声エージェントは他社から乗り換えたディーラーもいるほど印象的であるということです。
アメリカ国内には数千の自動車ディーラーとサービスセンターがあり、電話回線が混雑すると潜在的な顧客を失う可能性があるという共通の問題を抱えています。
Flaiチームは、昨年からの立ち上げ後、AIを訓練し、顧客を獲得する最良の方法はディーラーに直接出向くことだと気づきました。初期段階では約400の店舗を訪問し、直接関係を築きました。
ポラコフ氏は、初期段階で「毎日、終日出張していた」と述べています。この学習期間から成長と顧客満足に焦点を移す中で、Flaiの小さなチームは依然として長時間働いているとしています。
シード資金はFlaiの成長を助けますが、ポラコフ氏はチームが急激に拡大することはないと述べています。「できる限り賢く働きたい」とし、今すぐに100人、200人のチームを持つつもりはないとしています。三人のチームは「100%必要なタスク」に集中し、それ以外は価値がないとしています。
この意味で、ポラコフ氏はサービスベイやディーラーのバックオフィスでの初期の日々とそれほど変わらない状況にあるとしています。