アメリカ合衆国移民・税関執行局(ICE)の法執行部門である国土安全保障調査部(HSI)は、携帯電話のハッキングおよび解除装置「Graykey」を製造する企業、マグネット・フォレンジックスとの間で、約3億5千万円(3百万ドル)に相当する契約を締結したと発表しました。
この契約は、連邦政府の調達データベースに火曜日に掲載され、HSIが国家安全保障と公共の保護を目的としたデジタル証拠の回収、複数デバイスの処理、および法医学レポートの作成に必要なソフトウェアライセンスに関するものであるということです。
契約には製品名は記載されていませんが、Graykeyを指している可能性が高いとされています。Graykeyは、スマートフォンを解除し、データを抽出するための法医学システムであり、もともとはグレイシフトによって開発されました。マグネット・フォレンジックスは、2023年にプライベート・エクイティ・ファーム「トーマ・ブラボ」による買収後、グレイシフトと合併しました。
この最近の契約のほかにも、調達データベースには、ICEとHSIがマグネット・フォレンジックスおよびそのパートナーであるパナメリカ・コンピューターズと複数の契約を締結していることが示されています。
マグネット・フォレンジックスは、テッククランチからのコメント要請に応じなかったということです。
また、ICEの広報担当者はテッククランチの取材に応じましたが、記事掲載時点でコメントはありませんでした。国土安全保障省(DHS)もコメント要請に応じていません。
ICEは、大規模な国外退去キャンペーンを支援するために、Clearview AIによる顔認識ソフトウェア、Paragon製の携帯電話スパイウェア、Palantir製のデータ分析ソフトウェアなど、幅広い技術ツールを保有しているということです。
昨年、ICEはマグネット・フォレンジックスとGraykeyのために約5億円(5百万ドル)の契約を締結したとフォーブスが報じていました。Graykeyは、イスラエルの企業セレブライトが製造するより確立された携帯電話ハッキングシステム「UFED」と競合するため、2016年に発売されました。
