アメリカで最も人気のあるベリーであるイチゴは、消費者と農家の両方に支持されています。しかし、農薬に大きく依存している果物でもあり、環境作業グループの「ダーティダズン」リストの常連です。
カリフォルニア州サンルイスオビスポに拠点を置くTRIC Roboticsは、紫外線とロボットを活用してイチゴ農家の化学物質使用を削減できるとしています。
同社は、地球の大気によってほとんどが遮断されるUV-C光を使用して細菌を殺し、害虫の数を減らすロボットを開発しました。トラクターサイズの自律型ロボットは最大100エーカーを処理することができ、作物を傷つけずに虫の残留物を吸い取るためのバキュームも備えています。
TRIC Roboticsは、ロボットを農場で夜間に稼働させるサービスを提供しています。直接農家に販売するのではなく、サービスとして提供するのが適切なビジネスモデルであると判断したということです。共同創設者兼CEOのアダム・ステイジャー氏は、「農家と協力して技術の導入方法と適切なビジネスモデルを理解するために多くの時間を費やしました」と述べています。
当初、TRIC Roboticsは農業に焦点を当てていませんでした。ステイジャー氏は、ロボティクスの博士号を取得後、2017年に会社を設立しました。当初はSWATチーム向けの3Dプリントロボットに注力していましたが、2020年により大きな影響を与える分野に転換し、農業に焦点を絞ることにしました。
ステイジャー氏は、米国農務省(USDA)に連絡し、商業化されていない技術があるかを確認しました。これがきっかけで、UV光技術を基にしたロボットの開発が始まりました。
現在、TRIC Roboticsは4つの大規模なイチゴ生産者と提携し、9台のロボットを展開しており、さらに3台のロボットを追加予定です。最近、バージョンワンベンチャーズが主導する550万ドル(約8億5000万円)のシードラウンドを調達しました。この資金は、ロボットの開発と他の作物への展開に充てられる方針です。
ステイジャー氏は、「農業技術には非常に明るい未来があると思います」と述べ、今後の展望に期待を寄せています。