元TwitterのCEOであるディック・コストロ氏がTechCrunch Disruptで講演した際、観客からHBOの人気風刺ドラマ「シリコンバレー」の復活について質問がありました。コストロ氏は、現在のシリコンバレーがあまりにも奇抜で、パロディが難しいため、復活はないと述べました。
その一例が、今週Yコンビネーターから発表された新会社Clad Labsです。同社の製品は「Chad: The Brainrot IDE」と呼ばれ、その斬新さから一部ではエイプリルフールの冗談かと思われるほどでした。
創業者のリチャード・ワン氏はTechCrunchに対し、この製品は実在すると述べました。「Chad IDE」は、AIによるコーディングツールが作業を終えるのを待つ間に、開発者が好きな「ブレインロット」活動を行える環境を提供します。
同社のウェブサイトには、「コードを書きながらギャンブルをし、TikTokを見たり、Tinderをスワイプしたり、ミニゲームをプレイしたりできる」と紹介されています。これにより、AIを活用した開発で誰もが直面する生産性の問題を解決する方針です。
創業者たちは、IDE内で「コンテキスト切り替え」を助けることで生産性を向上させるとしています。AIの作業が完了するとすぐに作業に戻れるため、スマートフォンやブラウザに気を取られることがないということです。
X上での反応は賛否両論でした。一部は冗談だと思い、また一部は良いアイデアだと評価しました。
テックポッドキャスト「TBPN」の共同ホストであるジョルディ・ヘイズ氏も意見を述べ、「怒りを煽る製品戦略は不適切だ」と批判しました。彼は「怒りを煽る戦略は敗者のものだ」とし、YCに対し創業者たちにこの教訓を教えるよう促しました。
ワン氏は、彼の「ブレインロットIDE」が怒りを煽るためのものではないと説明しました。創業者たちは、この製品が消費者向けアプリ開発者に愛されるAIコーディングツールになることを望んでいます。
製品は実在しますが、まだ一般公開されていません。ワン氏は「現在クローズドベータ中で、今後コミュニティを構築したい」と述べました。Clad Labsは近いうちに一般公開を目指していますが、現時点では既にベータに参加しているユーザーからの招待が必要です。
この製品がどのような未来を迎えるかは不明ですが、シリコンバレーをパロディ化することがますます難しくなっていることは確かです。
