DatabricksとPerplexityの共同創業者であるアンディ・コンウィンスキー氏は、AI研究者を支援するために自身の資金で100億円規模の新しいAI研究所を設立することを発表しました。
この研究所「Laude Institute」は、AI研究ラボというよりも、助成金に類似した構造で投資を行うファンドのように機能するということです。理事会には、カリフォルニア大学バークレー校の教授デイブ・パターソン氏(数々の受賞歴を持つ研究者)、Googleの主任科学者ジェフ・ディーン氏、MetaのAI研究副社長ジョエル・ピノー氏が名を連ねています。
コンウィンスキー氏は、研究所の第一の助成金として年間3億円(約4億6500万円)を5年間提供し、カリフォルニア大学バークレー校に新しいAIシステムラボを設立することを発表しました。この新しいラボは、バークレーの有名な研究者イオン・ストイカ氏が率いる予定で、2027年に開設される方針です。
コンウィンスキー氏はブログ投稿で、研究所の使命を「コンピュータサイエンス研究者によって、そして研究者のために構築された」とし、「フィールドを前進させるだけでなく、より有益な結果に導くことを目的とする」と説明しています。
この研究所は、非営利団体としての性質と公共利益法人としての運営部門を持ち、商業的な野心を持つ他のAI研究組織と同様の構造を持っているということです。
コンウィンスキー氏は、研究投資を「スリングショット」と「ムーンショット」という2つのカテゴリーに分けています。「スリングショット」は、助成金や実践的な支援を受けることができる初期段階の研究を対象とし、「ムーンショット」は、科学的発見、公共の議論、医療、労働力の再スキル化といった種のレベルの課題に取り組む長期的な研究を対象としています。
また、コンウィンスキー氏は2024年に設立された営利ベンチャーファンドも共同設立しており、NEAの元VCピート・ソンシーニ氏が共同設立者です。このファンドには50人以上の著名な研究者がLPとして参加していると報じられています。
コンウィンスキー氏は、100億円の資金を誓約しただけでなく、他の成功した技術者からの投資も求めているということです。彼の資金がどのようにして確保されたかについては、Databricksが今年1月に1兆円(約1兆7050億円)の資金調達を行い、会社の評価額が6兆2000億円(約9兆6100億円)に達したことが背景にあるとされています。