Flipkartが所有する金融サービスプラットフォーム「Super.money」は、決済インフラ企業「Juspay」と提携し、ダイレクト・トゥ・コンシューマー(D2C)チェックアウト市場への進出を目指すと発表しました。2026年までに年間売上1億ドル(約155億円)を目指しているということです。
この提携は、Juspayが今年初めに主要な決済企業からの反発を受け、資金調達が難航している中での動きです。先週、Super.moneyはD2Cチェックアウト製品「Super.money Breeze」を発表しました。この製品は、ワンクリックでのチェックアウト体験を提供し、ワンタイムパスワードや繰り返しのログインを排除することで、オンライン購入を迅速化することを目指しています。
Super.moneyは、Flipkartの既存ユーザーベースを超えて新たな顧客層を開拓し、D2Cブランド間での認知度向上を図る方針です。これにより、オンラインショッピング市場での存在感を高め、独自のアイデンティティを確立する狙いがあります。
一方、Juspayにとっては、インドの商業者との関係を再構築する重要な提携です。Juspayは、ソフトバンクの支援を受けており、今年1月にRazorpayやCashfree Paymentsが自社の決済ツールを採用するよう促したことで、多くの商業者を失いました。その結果、資金調達が難航し、最近のラウンドでは6000万ドル(約93億円)にとどまったということです。
Super.moneyは、Flipkartからの分離後、インドのトップ5のUPI(統一決済インターフェース)アプリの一つとなり、毎月2億件以上の取引を処理しています。さらに、Super.moneyはインドでの担保付きクレジットカードの主要発行者となり、10%の市場シェアを持つということです。
Flipkartは、Super.moneyに5000万ドル(約78億円)を投資し、事業を開始しました。Super.moneyは今後、外部からの資金調達を目指し、10億ドル(約1550億円)の評価額でのラウンドを計画しているということです。
Super.moneyは、既存のUPIユーザーを高収益の金融商品に移行させる戦略を取っており、特に担保付きクレジットカード事業の拡大が収益成長の鍵となっています。しかし、競争が激化する中で、持続可能な収益モデルを確立できるかが今後の課題です。
