アルミニウムはリサイクルにおいて優れた素材であり、何度でも再利用が可能で、新たに生産するよりもコストが低く抑えられるという利点があります。しかし、アメリカで使用されるアルミニウムのうち、リサイクルされるのは約3分の1に過ぎないということです。この問題の一因は、混合されたアルミスクラップの分別が難しいことにあります。
Sortera社のCEO、マイケル・シーマー氏は、同社がこの課題を解決する鍵を見つけたと発表しました。Sortera社は、アルミニウムのグレードを95%以上の精度で分別できるシステムを開発したとしています。これはリサイクル業界における大きな未開拓資源を活用する突破口になると考えられています。
このシステムは、レーザー、X線蛍光、高速カメラのデータを基にAIモデルを使用してアルミニウムの異なるグレードを識別します。システムは、ポテトチップほどの大きさのチップを瞬時に分類し、ノズルが空気を吹き付けて正しい容器に分ける仕組みです。シーマー氏によれば、このスピードと精度が重要であり、他のリサイクル施設ではアルミを溶かしてから合金の種類を特定する必要があるとしています。
Sortera社の分別精度の高さは、同社が多くのスタートアップが目指す利益性を実現する助けとなりました。シーマー氏は、8月以降、インディアナ州の単一施設の運営を基に黒字化を達成したと述べています。同社は、テネシー州に2つ目の工場を建設するため、VXIキャピタルとT. Rowe Priceの助言を受けた口座を中心に、2000万ドル(約310億円)の株式と2500万ドル(約390億円)の負債を調達したと発表しました。トリニティキャピタルからは追加の設備資金が提供されます。
新工場はナッシュビル近郊に建設中で、4月から5月にかけて稼働を開始する予定です。シーマー氏によれば、インディアナ州の施設のレプリカであり、24時間フル稼働で毎月数百万ポンドのアルミニウムを処理しているということです。
Sortera社が受け取るスクラップアルミニウムは、主に自動車の破砕品から来ています。各アルミニウムグレードは破砕時に異なる破れ方をし、その視覚的な違いがAIの分類に役立っています。シーマー氏は、化学的な違いが破砕時に現れると述べています。
Sortera社は今後、銅やチタンなど他の金属の処理方法も模索していますが、当面はアルミニウムに注力する方針です。同社は、アメリカで年間生産される180億トンのアルミニウムを瞬時に分別し、全てを国内で利益を上げて販売できるとしています。
