YPlasmaは、データセンター向けの新たなチップ冷却技術を開発したと発表しました。これは、プラズマを利用して空気の流れを制御する技術で、従来のファンよりもエネルギー消費を抑え、効率的な冷却を実現するということです。
YPlasmaのデバイスは、銅のストリップに電流を流すことでプラズマを生成し、空気の流れを作り出します。この技術は、可動部分がないため、薄く柔軟で、製造コストも低いという特徴があります。ノートパソコンの小型ファンが3〜4ワットを使用するのに対し、YPlasmaのアクチュエーターは1ワットで同等の冷却効果を得られるとしています。
この技術は大手半導体メーカーの関心を引いており、YPlasmaは最近、Faberが主導する250万ドル(約3億8700万円)の資金調達を行いました。この資金を活用し、アメリカ・ニュージャージー州ニューアークのSOSVのHaxラボとマドリードのオフィスで研究開発を進める方針です。
YPlasmaの技術は、車両の空力特性改善や衛星推進、航空機の除氷、水の収集など、さまざまな応用が考えられています。当初のターゲット市場は風力タービンで、空気の流れを制御して抵抗を減らすことで、発電量を10%から15%向上させることが可能です。
YPlasmaは現在、風力タービン向けの製品開発を進めており、今夏にはサンディア国立研究所で試験を行う予定です。しかし、半導体メーカーとのプロジェクトが成功したことを受け、チップ冷却により注力するようになったとしています。
データセンター市場にも注目しており、冷却はデータセンターの大きな費用要因の一つであるため、効率を改善することが重要であるとしています。YPlasmaの技術は、液体冷却や浸漬冷却といった高コストな方法に代わるものとして期待されています。