アメリカのAI開発企業であるアンスロピック(Anthropic)が、ベンチャーキャピタルから提案された企業価値8000億ドル(約124兆円)以上での資金調達の打診を、現時点で見送っていることが明らかになりました。
アメリカの通信社ブルームバーグの報道によりますと、複数のベンチャーキャピタルがアンスロピックに対し、競合するオープンAI(OpenAI)に匹敵するか、それを上回る規模となる企業価値8000億ドル(約124兆円)以上での資金調達を提案したということです。オープンAIは今年2月に1100億ドル(約17兆500億円)の資金調達を実施し、企業価値は8520億ドル(約132兆600億円)に達したとされています。一方、アンスロピックはその数週間前に、企業価値3800億ドル(約58兆9000億円)で300億ドル(約4兆6500億円)を調達したと発表していました。
しかし、アンスロピックは現在のところ、こうした新たな投資の提案には関心を示していないということです。一方で、同社は巨額の設備投資を計画しており、今後の状況次第で方針を転換する可能性もあるとみられています。
対話型AI「クロード(Claude)」を開発する同社は、技術の自立とインフラ拡充に向けた方針を明確にしています。独自のデータセンター建設に500億ドル(約7兆7500億円)、マイクロソフトのクラウドサービス利用に300億ドル(約4兆6500億円)を投じる計画を示しているほか、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)にも毎年数十億ドル(数千億円)規模の支出を行っています。このため、有利な条件で前回の2倍以上の企業価値で資金を調達できる場合、将来的に新たな資金調達に踏み切る可能性があると指摘されています。
投資家はアンスロピックの収益の伸びに注目しています。同社の収益は2025年末の90億ドル(約1兆3950億円)から、3月末には300億ドル(約4兆6500億円)に達する見通しだということです。未公開株の取引市場でも同社株への需要は非常に高く、ダリオ・アモデイCEOが同意すれば、競合他社をしのぐ評価額で直ちに資金を確保できる状況にあるとされています。
この報道について、アンスロピックはブルームバーグの取材に対してコメントを控えており、公式な見解は示していません。
