インドで日用品などを数分で届ける「クイックコマース(即時配達)」市場において、米小売大手ウォルマート傘下の「フリップカート」が、先行する競合他社を猛追し、事業を急拡大していると発表しました。米アマゾンも同市場への参入を強化しており、電子商取引(EC)大手による競争が激化しています。
2024年8月に本格参入した即時配達サービス「フリップカート・ミニッツ」は、現在1日あたりの注文数が110万件から120万件に達しているということです。これは、昨年11月時点の約39万件から40万件と比較して大幅な増加となります。これにより、同業大手「スウィギー」が展開する「インスタマート」の1日約140万件という規模に迫っています。
インドの即時配達市場はこれまで、「ブリンキット」や「ゼプト」、そして「インスタマート」などの先行企業が市場を牽引してきました。調査会社によると、現在もブリンキットが1日約340万件から360万件の注文を処理し、首位を維持しています。次いでゼプトが約240万件から260万件としています。フリップカートは後発ながらも、急速にその差を縮めているということです。
フリップカートは、配達網の積極的な拡大を成長の原動力としています。顧客の近くに配置する配達専用の小型倉庫を、1年前の約340拠点から、現在は約1020から1050拠点まで増やしたということです。同社は毎月約100拠点を新設しており、2026年末までに1500拠点体制とする方針です。
既存のEC事業で獲得した膨大な顧客基盤を活用できることが、同社の強みとなっています。毎月の利用者のうち約65%から70%がリピーターであり、顧客1人あたりの取引回数も前年比で50%から60%増加したとしています。
1回の注文あたりの平均利用額は約4.20ドルから5.20ドル(約650円から810円)ということです。青果や日用品、乳製品などの需要が高く、今後は利益率の高い高級食材の取り扱いも拡充する方針です。また、平均配達時間は1年前の13分から11分に短縮されたとしています。
一方、競合の米アマゾンもインド市場でのシェア獲得を目指しています。同社は即時配達サービス「アマゾン・ナウ」を展開しており、対象地域を300都市以上に拡大する計画です。さらに、1000拠点以上の小型倉庫を整備し、数分で配達できる商品の種類を増やす方針です。
専門家は、消費者が即時配達に慣れる中、EC大手にとってこの分野への投資は「攻め」であると同時に、顧客離れを防ぐための「守り」の戦略でもあると指摘しています。
