インドの起業家が、企業向けの新たなAI(人工知能)プラットフォームを開発するため、3000万ドル(約46億5000万円)の私財を投じて新会社を設立したと発表しました。AI時代に合わせたソフトウェアの根本的な再設計を目指すとしています。
新会社「Neo」を設立したのは、インドの起業家、バビン・トゥラキア氏(46)です。トゥラキア氏はこれまでにも複数のIT企業を立ち上げており、外部からの資金調達の前に自己資金を投じる手法をとってきました。同氏は、AIの普及は技術的な大きな転換点であり、既存のソフトウェアにチャットボットを追加するだけでは不十分だと指摘しています。「iPhoneを作るために、ノキアの部品を改造することはできない」と述べ、AI時代に向けたシステムをゼロから構築する必要性を強調しました。
新たなプラットフォームは今年4月に社内で導入されました。プロジェクト管理や文書作成、ファイルの保存機能とAIを一つの製品に統合したということです。AIを単なるアシスタントとしてではなく、日常業務に積極的に関与させることを目標としています。また、特定のAIモデルに依存せず、企業が用途に応じて複数のモデルを切り替えられる設計にしたとしています。
企業向けAIの分野は、現在最も競争が激しい市場の一つとなっています。アメリカのマイクロソフトやグーグルなどが自社のソフトウェアにAIを組み込んでいるほか、多くの新興企業が参入しています。また、著名投資家のチャマス・パリハピティヤ氏も同様に自己資金でAI企業を立ち上げた後、今週新たに1億3500万ドル(約209億円)の資金調達を行ったということです。
トゥラキア氏は、企業向けソフトウェア市場は1社が独占するものではないと分析しています。「世界の企業向けAI支出の2%から5%のシェアを獲得するだけでも、これまでに私が築いたどの企業よりも規模が大きくなる」と述べ、市場参入に自信を示しました。
新システムは現在、トゥラキア氏が率いる企業内で試験的に使用されています。今後数か月のうちに、ITやコンサルティングなどの専門サービスを提供する中堅企業向けに提供を開始する方針です。
トゥラキア氏によりますと、初期のプラットフォームは開発過程でAIを大々的に活用し、わずか3か月で構築されました。生成AIが登場する前であれば、大人数の技術者チームで1年以上かかっていた作業量だということです。
インド南部のベンガルールを拠点とする新会社は、現在約45人の従業員を抱えています。今年末までにAIやソフトウェア技術者を中心に、約100人規模まで拡大する計画だということです。
