イギリスの自動運転技術を開発するスタートアップ企業「Wayve(ウェイブ)」は、従業員が保有する自社の株式の一部を投資家に売却できる、総額8500万ドル(約132億円)の株式公開買付を実施すると発表しました。企業評価額は85億ドル(約1兆3175億円)に上るということです。
今回の株式公開買付は、既存および新規の投資家が主導して行われます。基準となる85億ドル(約1兆3175億円)の企業評価額は、同社が2月に実施した12億ドル(約1860億円)の資金調達の際に設定されたものです。この資金調達には、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2やマイクロソフト、エヌビディア、ウーバーなどが参加しています。
同社が従業員向けに株式を現金化する機会を設けるのは、2024年5月に実施した10億5000万ドル(約1628億円)の資金調達時に続いて2回目となります。
近年、AI(人工知能)関連のスタートアップ企業の間では、優秀な人材の流出を防ぐための対策として、こうした株式公開買付を活用する動きが広がっています。企業が上場や買収を待たずに従業員に利益を還元する機会を設けることで、競合他社への転職や独立を防ぐ狙いがあるということです。他のAI関連企業でも同様の取り組みが相次いで実施されています。
投資家側にとっても、将来的な企業価値の向上を見込み、成長性の高い企業の株式を追加で取得したいという強い意欲があることが、こうした動きの背景にあります。
Wayveは、従来の自動運転システムで使われる高精度な地図データに依存せず、データから直接運転方法を学習する独自のAI技術を開発しています。国や車種、道路状況を問わず機能する「汎用型AIドライバー」の実用化を目指しており、独自の技術基盤を確立するため、過去1年間で従業員数を1200人へと倍増させました。
今後の事業展開として、今年後半にはウーバーと共同で自動運転タクシーの試験運用を開始する予定です。さらに、2027年以降には、日産自動車の次世代運転支援システムに同社のAIソフトウェアを導入する方針だということです。
