アメリカのIT大手グーグルの親会社、アルファベット傘下の「ウェイモ(Waymo)」は、自動運転による「ロボタクシー」の一般向けサービスを、新たに西部コロラド州のデンバー、カリフォルニア州のサンディエゴ、そして南部フロリダ州のタンパの3都市で開始したと発表しました。これにより、同社がアメリカ国内で商用サービスを展開する都市は14に拡大したということです。
ウェイモによりますと、今後は段階的に利用者の受け入れを拡大していく方針です。今回の事業拡大に伴い、同社が運用する自動運転車の数は4000台を超えたとしています。車両は、これまで使用してきたジャガーの電気自動車「I-PACE」に加え、「オハイ(Ojai)」と呼ばれる新たなミニバン型の車両が導入されています。
一方、ロボタクシー市場では、電気自動車大手のテスラも追い上げを図っています。テスラは現在、南部テキサス州のオースティンやダラスなど6つの都市で、運転手なしの車両による有料サービスを展開しています。一部の地域ではサービスが限定的ですが、テスラは今後も対象地域や車両数を拡大する方針です。さらに、ハンドルやペダルがない専用車両「サイバーキャブ」を投入し、事業を加速させる構えを見せています。
ウェイモは過去18か月にわたって急速に事業を拡大しており、アメリカのロボタクシー市場における首位の座を固めつつあります。同社は西部アリゾナ州のフェニックスで長年サービスを提供してきましたが、2023年8月にカリフォルニア州サンフランシスコで有料サービスの許可を取得しました。その後、サンフランシスコ周辺から高速道路へと対象エリアを広げ、2024年にはロサンゼルスにも進出しました。
さらに2025年3月には、配車サービス大手のウーバー(Uber)との提携を通じてオースティンでサービスを開始し、成長戦略を本格化させました。それ以降、アトランタやマイアミなど、新たに7つの都市で商用サービスを立ち上げています。
拡大の勢いはとどまるところを知りません。先月には、西部ネバダ州の交通当局が、ラスベガスを含むクラーク郡で今後1年間に最大1000台の自動運転車を運行する許可をウェイモに承認しました。この許可はテスラやウーバーにも与えられています。また、ウェイモの事業展開はアメリカ国内にとどまらず、イギリスのロンドンやドイツのミュンヘンでもサービスを開始する計画だということです。
ウェイモが新たな市場に参入する際は、まず自動運転技術のテストと地図データの作成を行い、次に安全確認のための運転手を外した状態で運行します。その後、従業員や招待客向けにサービスを提供し、最終的に一般の有料利用者に開放するという手順を踏んでいます。有料化の時期は地元の規制に左右されることが多く、例えばカリフォルニア州では、公道での無人走行と有料サービスの提供それぞれについて、異なる機関から許可を得る必要があります。
今回サービスを開始したデンバーなど3都市でも、同様の手順が踏まれるということです。ただし、デンバーとサンディエゴの2都市については、中国の電気自動車ブランド「ジーカー(Zeekr)」が製造した次世代のミニバン型車両「オハイ」のみが提供されるとしています。
「オハイ」には、ウェイモの第6世代となる自動運転システムが搭載されており、製造や運用、保守のコストを抑えるよう設計されています。現在、この新型車両の数は約300台と、従来のジャガーの車両に比べて少数にとどまっています。しかし、ウェイモは事業の成長と同時に収益性の向上を目指しており、今後は新型車両の導入を急速に進める方針だということです。
