アメリカの配車サービス大手「ウーバー」は、かつて自社の事業部門から独立した自動配達ロボット開発企業「サーブ・ロボティクス」の保有株式をすべて売却したと発表しました。
ブルームバーグ通信の報道によりますと、この売却は規制当局への提出書類によって明らかになったということです。提出書類では、ウーバーが株式の保有比率を段階的に下げていたことが示されており、撤退に向けた動きは少なくとも1年前から進められていたとみられています。
一方、関係者によりますと、サーブ・ロボティクス側は公式な開示文書を通じて初めてこの事実を知り、完全な株式売却は予期せぬ出来事だったということです。ウーバーはこの件に関して、現時点でコメントを出していません。
両社はかつて緊密な関係にありましたが、事業戦略の方向性の違いが表面化していました。
サーブ・ロボティクスはもともと、ウーバーが2020年に26億5000万ドル(約4108億円)で買収した配達サービス「ポストメイツ」のロボット部門として発足しました。その1年後、歩道用の自動配達ロボットの名前を取って独立した企業となりました。
ウーバーは同社に出資するだけでなく、2022年に業務提携を結びました。2023年5月には提携を拡大し、アメリカ国内の複数の市場でウーバーのアプリを通じて最大2000台の自動配達ロボットを導入する計画を明らかにしていました。
しかし、今年に入りウーバーは事業の縮小を始めていた模様です。サーブ・ロボティクスの共同創業者であるアリ・カシャニ最高経営責任者(CEO)は、ウーバーが株式を売却する前の今月6日に行われた決算会見で、「2022年第1四半期から今年の第1四半期まで、ウーバーを通じた配達量は17四半期連続で増加していましたが、第2四半期に初めて減少に転じました。これはロボットの稼働率が予想を下回ったためです」と説明していました。
さらにカシャニCEOは、自動運転フリート(車両群)の連携や加盟店の統合など、事業を拡大するための運営モデルについて、両社の間に「見解の相違」があると言及しました。一方で、同時期に別の食品配達パートナーとの事業は1つの四半期で50%近く成長したとしています。
こうした背景から、サーブ・ロボティクスは2027年初頭に期限を迎えるウーバーとの提携契約について、更新する合理的な理由はないとの見方を示していました。
ウーバーは過去数年間で、30社以上の自動運転技術関連企業と提携や投資を行っており、今後の戦略の行方が注目されています。
