エジプト出身のカリド・アシュマウィ氏が設立したネオバンク「Munify」は、エジプト系ディアスポラ向けに送金サービスを提供するため、約3億円(約3百万ドル)の資金調達を行ったと発表しました。この資金は、Yコンビネーターや地域の投資家から提供されたものです。
アシュマウィ氏は、ヨーロッパで学んでいた際に、家族に送金する際の手続きが高額で時間がかかることを経験しました。これが、彼が「Munify」を設立するきっかけとなりました。このプラットフォームは、米国、英国、ヨーロッパ、湾岸諸国に住むエジプト人がより迅速かつ安価に送金できることを目指しています。
「Munify」は、現地のIDのみで米国の銀行口座とカードを開設できるサービスも提供しており、中東のビジネスやリモートワーカー、フリーランサーにとっても便利な選択肢となっています。これにより、現地通貨の変動リスクをヘッジすることも可能です。
アシュマウィ氏は、MicrosoftやUberでの勤務経験を持ち、2019年には中東の住宅ローンプラットフォーム「Huspy」を設立しました。彼の経験と問題意識が「Munify」の設立につながったということです。
エジプトは世界有数の送金市場であり、年間約3兆円(約300億ドル)が流入しています。「Munify」は、より安価で迅速な送金を約束するデジタルバンクの中で、第一選択肢となることを目指しています。
「Munify」は、個人向けの送金・銀行サービスと企業向けのAPI提供を通じて、エジプト以外の中東や隣接国への拡大も計画しています。収益は、為替スプレッドやインターチェンジ、決済フローから得られるということです。
Yコンビネーターは、AIや開発者向けツールを重視する傾向にある中で、「Munify」は緊急性の高い問題を解決するスタートアップとして選ばれたとされています。