techcrunch
2025年8月7日
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ニュースレター「ゴースト」オープンソーシャルウェブ対応を発表

ニュースレタープラットフォーム「ゴースト」が、オープンソーシャルウェブと連携する新バージョン「ゴースト6」を発表しました。これにより、利用者は分散型サービスとの接続が可能になります。

NihonTechHub

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技術系ジャーナリスト
ゴースト-オープンソーシャルウェブ-連携

ニュースレタープラットフォーム「ゴースト」は、新しいソフトウェアバージョン「ゴースト6」を発表しました。これにより、利用者は長文コンテンツをオープンソーシャルウェブ上で共有できるようになりました。従来のウェブ、RSS、メールでの配信に加え、分散型ソーシャルネットワーク「マストドン」や「メタ」の「スレッズ」、および「アクティビティパブ」と統合された「ワードプレス」などと接続が可能です。

また、「ブルースカイ」への配信も「ブリッジー・フェド」を通じて可能になりました。これは、分散型ソーシャルネットワークのオープンスタンダード「アクティビティパブ」と「ブルースカイ」などで使用される「ATプロトコル」をつなぐサービスです。

「マイクロブログ」の創設者であるマントン・リース氏は、ゴーストと自身のサービスの違いについて言及しました。マイクロブログは直接的なATプロトコル統合を進めているのに対し、ゴーストはブリッジを使用しているということです。

「アクティビティパブ」は長年、オープンで分散型のソーシャルメディアアプリケーションの基盤として利用されてきました。イーロン・マスク氏によるツイッター(現在のX)の買収後、このプロトコルを用いた競合サービスの構築に関心が高まっています。

メタは2023年に「インスタグラム・スレッズ」をXの代替として発表し、モバイルデバイス上でXに追いつこうとしています。一方、ブログプラットフォーム「ワードプレス」も「アクティビティパブ」との統合を提供し、「マストドン」などのサービスでワードプレスのブログをフォローすることが可能です。他にも「フリップボード」や「サーフ」、出版プラットフォーム「ミディアム」などがオープンソーシャルウェブと統合しています。

ゴーストは「アクティビティパブ」との接続がネットワーク効果を生む可能性があると強調しています。これにより、分散型アプリの利用者がゴーストの投稿をフォローし、いいねやリプライ、リポストを通じて交流することができます。

さらに、ゴーストの利用者は「インボックス」セクションで他の長文コンテンツを追うことができ、「ワードプレス」などで公開された記事をフォローすることが可能です。また、ゴーストの管理画面から短文コンテンツを「フェディバース」に投稿し、フォロワーを増やすことができます。

ゴースト6の発表は、競合するニュースレタープラットフォーム「サブスタック」がナチス関連のニュースレターを購読するよう促す通知を送信したという不祥事の直後に行われました。この決定に反発して、既に多くの著者がサブスタックを離れています。

ゴーストの発表によれば、同社の発行者は1億ドル(約155億円)以上の収益を生み出し、ゴーストの年間収益は850万ドル(約13億円)に達しています。

「アクティビティパブ」統合はゴースト6の主な売り込みポイントですが、この大規模なリリースには他にも多くの変更と新機能が含まれています。特に、ゴーストはリアルタイムでパフォーマンスやエンゲージメント、コンバージョンを追跡するネイティブアナリティクススイートを搭載しています。

ソフトウェアは多様な支払い方法、チップや寄付、ブランド化されたニュースレター、個々の読者に合わせたコンテンツなどもサポートしています。

このリリースにより、ゴーストは「プロ」(ホスティング)プランの価格を調整しました。最安プランは月額15ドル(約2300円)と29ドル(約4500円)から始まりますが、多くの購読者を持つ発行者に対しては価格が引き下げられます。

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