サイバーセキュリティ企業は、サイバー犯罪グループ「スキャッタード・スパイダー」が航空業界を含む輸送セクターを新たに標的にしていると発表しました。
グーグルのサイバーセキュリティ部門Mandiantとパロアルトネットワークスのセキュリティ研究部門Unit 42の幹部は、スキャッタード・スパイダーによるとみられる航空業界を狙ったサイバー攻撃を観測したとしています。
スキャッタード・スパイダーは、主に英語を話すティーンエイジャーや若年層からなるハッカー集団で、企業のネットワークから機密データを盗み出し、金銭目的で脅迫することを目的としているということです。また、このハッカー集団は、ソーシャルエンジニアリングやフィッシング、時には企業のヘルプデスクやコールセンターに対して暴力をほのめかすなどの手口を用いることで知られています。
この警告は、今月少なくとも2つの航空会社が侵入を報告したことを受けたものです。
ハワイアン航空は、木曜日遅くにサイバー攻撃を受けた後、システムの安全確保に努めていると発表しました。カナダ第2位の航空会社ウェストジェットは、6月13日にサイバー攻撃を受けたと報告しており、現在も解決には至っていないとしています。メディア報道によると、ウェストジェットの事件はスキャッタード・スパイダーと関連があるとされています。
スキャッタード・スパイダーによるこの新たな攻撃の波は、同グループが最近イギリスの小売業界や保険業界を標的にした後に発生したものです。これまでにも、ホテルチェーンやカジノ、テクノロジー企業への侵入を行ってきたということです。