スペースXは、スターシップの第2世代の最終試験飛行を成功させ、第3世代への移行を発表しました。
現地時間で午後6時23分、テキサス州のスター・ベースから、約120メートルのロケットが打ち上げられました。スーパー・ヘビー・ブースターは、13基のエンジンを再点火し、最終的に3基のエンジンで着水を試み、メキシコ湾に予定通り着水したということです。
一方、スターシップの上段は、8基の模擬スターリンク衛星を展開し、新しい「ダイナミック・バンキング・マヌーバー」プロファイルを試験しました。上段はその後、インド洋に着水しました。
今回の打ち上げは、第2世代スターシップと第1世代スーパー・ヘビーの最終試験飛行でした。技術者たちは、上段の耐熱タイルの選択的な除去や新しいタイルのバリエーションを試み、再突入データを収集しました。
また、スペースXはフライト10の重要なマイルストーンを再現し、模擬衛星を展開し、スターシップの6基のラプターエンジンの1基を軌道上で再点火しました。
月曜日の試験は、改良されたプロトタイプ「V3」の飛行を開始する次の段階のプログラムを正式にスタートさせました。このプロトタイプは、軌道上でのドッキングや推進剤移送のデモンストレーションに対応しており、月や火星への到達を目指すために必要な能力を持つとしています。スペースXによれば、V3は構造の変更やラプターエンジンの改良を取り入れており、揚力を増加させることを目指しているということです。
同時に、スペースXはスター・ベースの発射台Aを改良し、発射を発射台Bに移行する方針です。また、フロリダ州のケープカナベラルとケネディ宇宙センターに二重のスターシップ発射台を建設する計画です。
スターシップは、これまでに開発された最も強力なロケットであり、NASAのアルテミス計画やスペースXの高容量スターリンク衛星の展開計画の要となっています。
NASAのショーン・ダフィー代理管理者は、Xでこのミッションを称賛し、「月の南極へのアメリカ人の着陸に向けたもう一つの大きなステップ」と述べました。
スペースXは、アルテミス3の有人ミッションのために、人間が乗れるスターシップのバリアント「ヒューマン・ランディング・システム」を開発するために、40億ドル(約6200億円)以上の資金を受け取りました。しかし、この日程を達成するためには、スペースXが軌道上でのドッキングや推進剤移送など、ますます複雑なマイルストーンを達成する必要があるとしています。
