アメリカの新興企業「スレート・オート(Slate Auto)」は、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏などの支援を受け、低価格でカスタマイズ可能な新型の電気自動車(EV)ピックアップトラックを開発していると発表しました。同社は2026年後半の生産開始を目指し、事業を本格化させる方針です。
スレート・オートは、アメリカの自動車産業の中心地であるミシガン州で3年間にわたり秘密裏に開発を進めてきました。2025年4月に事業内容を公表し、アメリカのEV市場において独自のビジネスモデルを展開するとしています。
同社が開発しているのは、ベース価格が約387万円(2万5000ドル)の低価格EVピックアップトラックです。この車両は、部品の追加や変更が容易なモジュール式を採用しており、利用者のニーズに合わせた幅広いカスタマイズが可能だということです。
2025年4月に行われた発表イベントでは、アメリカ連邦政府のEV購入に対する約116万円(7500ドル)の税額控除を適用することで、実質的な販売価格を約310万円(2万ドル)以下に抑える目標が示されました。ベースモデルは航続距離が約240キロメートル(150マイル)で、パワーウィンドウや車体塗装などを省いた極めてシンプルな仕様となっています。
また、同社はインディアナ州にある広さ約13万平方メートルの元印刷工場を生産拠点として活用する方針です。
一方で、アメリカ政府の政策変更による影響も受けています。2025年7月、トランプ政権のもとでEVに対する税額控除が同年9月に終了することが決定しました。これを受け、スレート・オートは「約310万円(2万ドル)以下」という販売目標の表現を取り下げたということです。
しかし、消費者からの関心は高く、約7700円(50ドル)の予約金による事前予約の件数は、同年12月までに15万件を突破したとしています。アメリカ国内でEV市場の成長が鈍化するなかでも、低価格帯のモデルに対する強い需要が示された形です。
さらに同社は、年末に予定している商業販売の開始に向け、経営体制の刷新を発表しました。アマゾンの幹部を務めたピーター・ファリシー氏を新たな最高経営責任者(CEO)に迎え、初代CEOのクリス・バーマン氏は車両開発の統括に回るということです。同社は今後、予約者を実際の購入に結びつけるための販売戦略を強化する方針です。
