テスラのCEOであるイーロン・マスク氏は、完全自動運転(監視付き)ドライバーアシスタンスソフトウェアの一括購入オプションを廃止し、今後は月額サブスクリプションのみで提供すると発表しました。
この変更は、これまでの販売方法からの大きな転換点となります。また、テスラの財務状況や法的問題にも影響を与える可能性があるということです。他の自動車メーカーも独自の先進運転支援システムの開発を進めており、テスラとの競争が激化しています。
テスラはこれまで、完全自動運転(FSD)ソフトウェアを一括購入で提供しており、2022年には最大で1万5000ドル(約232万円)でしたが、最近では8000ドル(約124万円)に価格を引き下げていました。2021年には月額199ドル(約3万円)のサブスクリプションを開始し、2024年には99ドル(約1万5000円)に値下げしました。
マスク氏は、2025年2月14日よりFSDの一括販売を停止するとXに投稿しましたが、サブスクリプションの価格変更については言及しませんでした。
変更の理由については具体的な説明はありませんが、採用率が期待を下回っていることが背景にあると考えられます。2025年10月、テスラの最高財務責任者であるヴァイバヴ・タネジャ氏は、FSDを購入した顧客は全体の12%に過ぎないと述べました。サブスクリプションのみのモデルへの移行は、初期費用を抑えることでこの割合を増やす狙いがあるとしています。
サブスクリプションの増加は、マスク氏の1兆ドル(約155兆円)の報酬パッケージの達成条件の一つである「FSDの1,000万件のアクティブサブスクリプション」を達成するためにも重要です。
また、法的リスクを軽減する目的もあるとされています。テスラは長年にわたり、車両が完全自動運転になるためのハードウェアが搭載されていると宣伝してきましたが、実際にはソフトウェアの改善が必要でした。FSDも同様の約束のもとで販売されていましたが、完全自動化の約束は未だ果たされていません。
テスラは、これら未達の約束に関する法的問題を抱えており、カリフォルニア州の裁判所は、FSDやオートパイロットに関する誤解を招くマーケティングを行ったとして、製造および販売ライセンスの一時停止を命じました。
テスラのFSDは、米国市場で最も高性能なドライバーアシスタンスソフトウェアとされていますが、競合他社も独自のシステム開発を進めています。リヴィアンやフォード、ゼネラルモーターズをはじめ、中国の自動車メーカーも独自の運転支援システムを標準装備として提供する動きを見せています。
