アメリカのデジタル権利擁護団体「電子フロンティア財団(EFF)」は、SNSの「X(旧ツイッター)」での情報発信による効果が著しく低下しているとして、同プラットフォームからの撤退を決定したと発表しました。
EFFの担当者によりますと、およそ20年にわたり利用してきたXからの撤退は容易な決断ではなかったものの、発信による効果が見合わなくなったということです。2018年には月間5000万から1億回に上っていた閲覧数(インプレッション)が、2024年には月間およそ200万回まで減少したとしています。担当者は「現在のXでの1投稿あたりの閲覧数は、7年前の3%未満にとどまっている」と指摘しています。
同団体は今後、フェイスブックやインスタグラム、ティックトック、ユーチューブなど、他のプラットフォームでの発信は継続する方針です。これについて「プラットフォーム自体を支持しているわけではなく、利用者が情報にアクセスできる環境を維持するためだ」と説明しています。
Xをめぐっては、これまでにもアメリカの公共ラジオ局NPRや公共放送PBS、イギリスのガーディアン紙、フランスのル・モンド紙など、多くの報道機関や著名人が撤退を表明しています。撤退の理由として、実業家のイーロン・マスク氏による「政府関係メディア」という不当なラベル付けや、同氏の政治的な姿勢に対する反発などが挙げられています。一方で、Xからの外部サイトへの誘導が減少したことで、撤退による損失が少なくなったことも背景にあるとみられています。
Xの外部サイトへの誘導能力については、専門家の間でも議論が交わされています。データアナリストのネイト・シルバー氏は、Xから外部サイトへの誘導率がかつての約15%から、現在は2%から3%程度にまで落ち込んでいると指摘しました。また、ジャーナリズム研究機関の「ニーマン・ラボ」が大手メディアの投稿を分析した調査でも、リンクを含む投稿の反応が低迷していることが示されています。
これに対し、Xのプロダクト責任者は、メディア側が単にリンクを貼るだけでなく、プラットフォーム上での議論を促すような投稿方法を工夫すべきだと反論しています。また、イーロン・マスク氏もこれらの分析結果を強く否定しています。
しかし、検索エンジンや他のSNSからの流入も減少する中、多くのメディアや組織にとって、Xの利用価値を見直す動きが広がっているということです。
