アメリカのメディア企業「Caliber(キャリバー)」は、ニュースに対する利用者の信頼回復を目的とした新しいショート動画アプリ「SaySo(セイソー)」の提供を、アメリカとカナダで開始したと発表しました。
現在、多くの人がSNSを通じてニュースを得ていますが、誤情報やAIによって生成された質の低いコンテンツの増加が課題となっています。また、アメリカの調査機関のデータでは、伝統的な報道機関を信頼している成人は56%にとどまるなど、メディア全体に対する信頼の低下が指摘されています。
こうした中、新たに提供が始まった「SaySo」は、事前の審査を通過したクリエイターや独立系ジャーナリストが制作するニュース動画に特化しています。
このアプリは、利用者が次々と動画を見続ける「無限スクロール」を避け、より意図的にニュースに触れられるよう設計されているということです。主な機能として、政治や社会問題などの関心のあるテーマを選ぶと、毎日おすすめの動画が配信される仕組みが導入されています。
また、情報の信頼性を高めるための対策も強化しています。クリエイターに対して動画内に情報源を明記することを義務付けているほか、AIと担当者による事前の審査を通過したコンテンツのみが公開されるということです。
開発の責任者は「すべてのコンテンツは公開前に審査されるため、問題の大部分は利用者に届く前に防ぐことができる」と説明しています。さらに、利用者が参加して事実確認を行う機能の開発も進めているとしています。
サービス開始の時点では、アメリカ連邦議会議員の金融取引を調査するクリエイターなど、約30人が参加しています。運営会社は今後、数か月以内に収益化の仕組みを整備し、得られた収益の大部分をクリエイターに還元する方針です。
運営会社は、情報過多を防ぎ、利用者に役立つ新しい形のニュースサービスを目指すとしています。今後は、ことし夏にイギリスでサービスの提供を始めるほか、2027年にかけて対象地域を順次拡大していく方針です。
