米国のクリエイター支援プラットフォーム「パトレオン(Patreon)」は、クリエイターの新たなファン獲得やコミュニティ構築、収益分析などを支援する30の新機能を発表しました。
同社は、現在のインターネット環境が一時的なエンゲージメントを優先し、クリエイターに対する正当な対価の支払いを困難にしていると指摘しています。ジャック・コンテ最高経営責任者(CEO)は、「ソーシャルメディアは依存症や分断を生み出し、クリエイターがビジネスを構築するのを難しくしている」と述べ、今回の新機能を通じてクリエイターとファンの関係性を改善する方針を示しました。
一方で、同社は「TikTok(ティックトック)」などのショート動画プラットフォームがファン獲得に果たす役割も認識しているということです。これに対応するため、iOS向けに動画を短いクリップに変換する新機能の提供を開始しました。作成したクリップは外部のSNSで共有できるほか、パトレオン独自の短い投稿形式である「Quips(クイップス)」として公開することも可能だとしています。
また、有料コンテンツの一部をプレビューとして提示できる機能のテストも進められています。これにより、ユーザーが課金やメンバーシップ登録を検討しやすくなるということです。さらに、成人向け(18歳以上)コンテンツのクリエイターに対しても、プラットフォーム内での動画配信や「Quips」機能の提供を開始したとしています。
検索・推薦アルゴリズムについても大幅な変更が行われました。従来はユーザーの好みに似た大規模なクリエイターが優遇されがちでしたが、今後はトピックやテーマ、作風などを基準に投稿を比較する仕組みに移行します。これにより、小規模なクリエイターも発見されやすくなるということです。
さらに、特定の趣味やサブカルチャーに基づくコミュニティ機能「Niches(ニッチ)」のテストも開始されました。ファンが関心のある分野のクリエイターを容易に見つけられるようにする狙いがあります。このほか、ライブ配信中の質疑応答(Q&A)機能や、ファン自身がプロフィールを作成できる機能も順次導入される予定です。
クリエイターがファン層や収益を正確に把握するための分析ツールも強化されます。収益の階層別の内訳や、無料トライアルの利用者数などを詳細に確認できる機能が追加されるほか、入出金の履歴を管理する画面も刷新されるということです。
今後の中長期的な方針として、AI(人工知能)による無断のデータ収集(スクレイピング)を防ぐツールや、リアルタイムのスパム検出、自動モデレーション機能などのセキュリティ対策も開発していくとしています。同社は、今後数か月にわたってこれらの新機能や改善を順次展開していく方針です。
