金属や食品などを扱う企業向けに財務リスクを管理するシステムを提供するアメリカのスタートアップ企業「ピラー(Pillar)」は、アメリカの有力ベンチャーキャピタルなどから2000万ドル(約31億円)の資金を調達したと発表しました。
今回の資金調達は、アメリカの「アンドリーセン・ホロウィッツ」が主導したということです。このほか、配車サービス大手ウーバーのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)なども投資に加わっており、ピラーのこれまでの累計調達額は2300万ドル(約35億6500万円)に上ります。
2023年に設立されたピラーは、人工知能(AI)を活用して企業の「ヘッジ」と呼ばれる価格変動リスクを回避するための取引を自動化するサービスを提供しています。昨今、国際情勢の影響で商品市場の価格変動が激しくなっており、リスク管理の重要性が高まっています。
ハルシャ・ラメシュ最高経営責任者(CEO)によりますと、システムは契約書や資金繰り、在庫データ、さらにはメッセージアプリのやり取りなどをAIで読み込み、商品や為替などのリスクを継続的に分析するということです。そのうえで、市場の状況や顧客のリスク許容度に合わせて、自動で取引の調整を行うとしています。
ラメシュCEOは過去に金融機関で大規模な取引を管理した経験があり、大企業と中小企業の間でリスク管理の手段に大きな格差があることに気づいたということです。「リスク管理は事業に不可欠であるにもかかわらず、中小企業にとってはぜいたく品として扱われていた」と指摘しています。
ピラーは今後、中小企業に対しても高度なリスク管理ツールを提供していく方針です。ラメシュCEOは「価格変動リスクの回避を、決済や会計ソフトと同じくらい身近なものにすることを目指す」としています。
また、システムによる自動化を進める一方で、最終的な承認や複雑な取引における戦略的な判断については、引き続き人間が関与していくということです。
