フィリピンを拠点とする消費者金融アプリの運営会社「サーモン(Salmon)」は、銀行口座を十分に持たない人々に向けてデジタル金融サービスを拡大するため、株式と負債を合わせて1億ドル(約155億円)の資金調達を実施したと発表しました。
同社は、ロシアのデジタル銀行の元幹部らによって2022年に設立されました。今回の調達額の内訳は、事業運営や成長に向けた株式投資が6000万ドル(約93億円)、顧客への貸付資金となる負債が4000万ドル(約62億円)だということです。
フィリピンは若年層が多く、スマートフォンの普及率が高い一方で、既存の金融システムが十分に行き届いていない課題があります。同社は、信用情報を持たない人々や、従来の金融機関のサービスに不満を持つ層を主な対象としています。
同社は事業展開を加速させるため、今年1月に1963年設立の地方銀行を買収し、銀行免許を取得しました。現在は、リボルビング払いやバイク向けのローン、預金など、多様な金融商品の開発を進めているということです。
従来の金融機関では、ローンの審査に数週間を要することもありましたが、同社のサービスではスマートフォンの操作のみで手続きが完了します。信用情報の代わりにデジタル上の行動データなどを活用してリアルタイムで審査を行い、わずか20秒で結果が判明するとしています。
また、最大62日間の猶予期間を設け、期日通りに返済する利用者には無利息で融資を行うほか、傘下の銀行を通じて最大8%の金利が付く定期預金も提供する方針です。
共同創業者のパベル・フェドロフ氏は、「フィリピンは金融サービスにおいて、世界で最も革新が期待できる市場の一つだ」としています。今回調達した資金を活用して事業規模の拡大と新商品の開発を優先し、今後2年以内には海外への展開も視野に入れているということです。
同社がこれまでに調達した資金の総額は3億1000万ドル(約481億円)に上り、このうち1億6000万ドル(約248億円)を株式で、1億5000万ドル(約233億円)を債券で調達したとしています。
