ニュース配信アプリを手がけるアメリカのIT企業「フリップボード(Flipboard)」は、特定の企業に依存しない「オープン・ソーシャルウェブ」向けのサービスを開発する新興企業「グレーズ(Graze)」を買収したと発表しました。
グレーズは、利用者が自身のデータや読者を管理できるオープンなSNS環境の構築に注力しています。同社は、SNS「ブルースカイ(Bluesky)」などのフィード(投稿の表示画面)を作成・管理するツールを提供しています。サービス開始から21か月で、約1200万人の利用者に対し、410億件以上の投稿を配信したということです。
グレーズの最大の特徴は、フィードの作成者が広告を通じて収益を得られる仕組みです。利用者の行動をウェブ上で追跡するデータ収集型の広告ではなく、コミュニティの関心に合わせた「文脈型」の広告を配信します。広告収益の7割がフィードの作成者に還元される仕組みで、現在7000以上のフィードがプラットフォーム上にあり、その約6割が収益化されているということです。
フリップボードは、自社の新しいアプリ「サーフ(Surf)」でグレーズの技術を活用しており、両社はオープンなソーシャル環境の成長に向けて共通の理念を持っていたとしています。フリップボードのマイク・マッキューCEOは、「利用者のプライバシーを侵害することなく、収益が一部の企業に集中しない素晴らしい仕組みだ」と評価しています。
買収後もフリップボードはグレーズの技術を活用し、ブルースカイだけでなく、共通の通信規格「ATプロトコル」を使用するすべてのサービスにフィード作成機能を拡大する方針です。
なお、買収額は公表されていません。グレーズは2025年初頭に100万ドル(日本円でおよそ1億5500万円)の資金調達を行ったばかりで、従業員2名の小規模な企業だということです。
