動画共有サイト大手のユーチューブは、動画制作者(クリエイター)がより多くの視聴者を獲得できるよう、AI=人工知能を活用した複数の新たな支援ツールを導入すると発表しました。
新たな機能の一つである「アスク・スタジオ」では、制作者が作成中の動画をAIと共有することで、過去のコンテンツや視聴者のコメントに基づいた個別のフィードバックを得ることができるということです。AIがタイトルやサムネイル(動画の見出し画像)の代替案を提案するほか、チャンネルの分析データをもとに改善に向けた助言を行います。この機能は、モバイル向けのアプリにも拡大される方針です。
また、ユーチューブは現在、タイトルやサムネイルの複数のパターンを比較検証する「A/Bテスト」を提供していますが、2027年からは短尺動画「ショート」でも3種類の異なる編集パターンをテストできるようになるとしています。さらに、複数のサムネイルをアップロードし、視聴者の関心を最も引きそうな画像をAIが自動的に判断して表示する「ダイナミック・サムネイル」機能も追加されるということです。
これらのツールは過去に公開された動画にも適用可能で、制作者が許可すれば、AIが自律的にサムネイルの成果を監視し、改善のためのテストを行うとしています。
ショッピング分野では、AIを活用して商品に自動でタグ付けを行う機能が導入され、アフィリエイト(成果報酬型広告)を通じた収益化を支援する方針です。アマゾンと提携したアフィリエイトプログラムも、アメリカ以外の地域へ拡大するとしています。
一方で、AIが生成した誤った情報によって自身の信頼性が損なわれることを懸念する制作者もおり、新機能の普及には、懸念を払拭できるだけの高い精度が求められるとみられています。
ライブ配信に関する新機能も発表されました。来年初めには、配信者の音声をリアルタイムで他の言語に翻訳する「自動吹き替え機能」の試験運用を開始する方針です。また、他の配信者と共同でライブ配信を行ったり、現在配信中の他の制作者と自動的にマッチングしたりする機能も導入されます。
ユーチューブの担当者によりますと、共同配信では制作者同士が対決する形式をとることもでき、視聴者がチャットやギフト、スーパーチャット(投げ銭)を通じて応援し、画面上のスコアを動かすことができる仕組みだということです。ただ、見知らぬ配信者同士の突発的な交流が、不適切な行動を誘発する温床にならないか注視する必要があるという指摘も出ています。
合わせて公開された利用状況のデータによりますと、テレビ画面を通じてユーチューブを視聴する人が増え続けており、上位100人の制作者の半数以上が、テレビでの視聴を最も多く獲得しているということです。
さらに、近年成長が著しい「マイクロドラマ(短尺の連続ドラマ)」に関するデータも示されました。2026年上半期には、ユーチューブ上でのマイクロドラマの再生回数が65億回を超え、視聴時間は前の年の同じ時期と比べて50%増加したとしています。こうした縦型の連続動画もテレビの大画面で視聴される傾向があり、テレビでの再生回数は前年比で90%増加したということです。
