ルミナーの創業者であるオースティン・ラッセル氏が、自身の新会社「ラッセルAIラボ」を通じて、ルミナーの全てのクラスA普通株式を買収する提案を行ったと発表しました。提案は10月14日に行われ、株主や取締役の一部からの要請に基づくものとしています。買収が実現した場合、ルミナーは上場企業のままとし、ラッセルAIラボは「ルミナー2.0」と呼ばれる統合技術プラットフォーム事業を創出するため、別の大規模な自動車技術会社を買収し、ルミナーと合併する可能性があるということです。その場合、ラッセル氏は新たに統合された会社に投資する方針です。
この買収提案は、ラッセル氏が5月にCEOを解任されたことと同様に突然であり、驚きをもたらしました。ルミナーは5月19日にラッセル氏の辞任を発表し、同じ日に第1四半期の業績を報告しました。元ゼロックス社の幹部であるポール・リッチ氏が後任に指名されました。
ラッセル氏の解任理由について、ルミナーは「ビジネス行動倫理規範に関する調査」が行われたと述べた以外の詳細を提供していません。ルミナーはこの調査の結果についても説明しておらず、その発表方法について株主から複数回訴訟を起こされています。
ラッセル氏はこれまでにも買収を試みており、2023年にはフォーブスの買収を試みましたが、一部の投資家が資金を提供しなかったため失敗に終わりました。この過程では、ロシアのオリガルヒとの関係があるとされる問題もありました。
ラッセル氏はルミナーの取締役として残っていますが、CEO交代後の証券取引委員会への提出書類には署名していませんでした。一方で、ラッセル氏は9月にラッセルAIラボを共同設立しました。この会社は「変革的なAIと先端技術の企業を支援し構築する」と主張しており、すでにAI企業エマージェンスに3億ドル(約465億円)を投資しています。
