アメリカの電気自動車メーカー「ルーシッド・モーターズ」は、経営陣の刷新と組織の再編を進める一環として、最高財務責任者が退任し、新たに5人の経営幹部を採用したと発表しました。
同社によりますと、タウフィク・ブサイード最高財務責任者(CFO)が退任するということです。これに伴い、新たなCFOや最高技術責任者(CTO)、最高顧客責任者などを外部から起用しました。先月就任したシルビオ・ナポリ最高経営責任者(CEO)は組織の簡素化を進めており、自身に直接報告する幹部の数を半減させるとしています。
サウジアラビア資本である同社は、2025年2月に前CEOが突然辞任して以降、1年以上にわたり後任探しが難航していました。また、2021年の上場時に掲げた販売目標を下回る状況が続いており、苦戦を強いられています。
同社は先週、需要の見通しに合わせて生産計画を見直すとして、数百人規模の人員削減を発表したばかりです。アメリカ・アリゾナ州の工場では第2シフトを廃止する方針です。今年に入って2度目となる今回の人員削減により、年間でおよそ1億5800万ドル(約245億円)のコスト削減が見込めるとしています。
同社が発表した第2四半期の納車台数は3,953台にとどまり、前年の同じ時期をわずかに上回る水準でした。主力と位置づけるSUV「グラビティ」の販売が伸び悩んでいるとみられます。アメリカのEV市場が逆風にさらされる中、競合する「リビアン」が販売予測を上方修正したのとは対照的な結果となっています。
今後の戦略として、同社はおよそ5万ドル(約775万円)の価格帯となる小型SUV「コスモス」の投入を控えており、普及価格帯での販売拡大を目指す方針です。さらに、自動運転技術を手がける「ニューロ」や配車サービス大手の「ウーバー」と提携し、年内にカリフォルニア州サンフランシスコで高級ロボタクシーのサービスを開始する計画も進めています。2027年にはテキサス州ヒューストンへの事業拡大も視野に入れているということです。
ナポリCEOは声明で、「組織を簡素化し、顧客や品質、イノベーションという最優先事項に体制を合わせる。新たなチームで企業を変革していく」と述べ、競争力の強化に意欲を示しました。
