アメリカ・サンフランシスコに拠点を置くIT企業「Loop(ループ)」は、人工知能(AI)を活用してサプライチェーン(供給網)の混乱を予測するシステムを開発するため、新たな資金調達ラウンドで9500万ドル(約147億円)を調達したと発表しました。
同社によりますと、今回の資金調達は投資会社の「Valor Equity Partners」などが主導し、複数の有力なベンチャーキャピタルや金融機関が参加したということです。調達した資金は、システム開発を担う優秀なエンジニアの採用に集中的に充てる方針です。
Loopは、企業が抱えるPDFや紙の書類、デジタルメッセージなどの整理されていないデータをAIを用いて構造化し、業務の自動化を支援するサービスを提供しています。複数のAIモデルを連携させることで、企業が時間や資金を浪費している箇所を特定し、製品の過不足のリスクを早期に発見できるとしています。同社は、システムの導入直後から数千ドル(数十万円)規模のコスト削減が可能になるとしています。
同社の共同創業者であるシャオスー・リウ最高技術責任者(CTO)は、現状の課題を分析するだけでなく、将来の混乱を予測し、具体的な解決策を提示するシステムを目指していると説明しています。
現在、世界的なサプライチェーンの変動が激しくなる中、最新技術を活用して供給網の最適化を図る企業への投資が活発化しています。物流の自動化を進める別の新興企業が昨年8500万ドル(約132億円)を調達したほか、既存の物流大手も技術導入を加速させています。
Loopは今後、顧客企業の基幹業務システム(ERP)や輸送管理システムとの連携を深め、倉庫や供給業者からより多くのデータを収集する計画です。これにより、サプライチェーン全体の情報を統合し、コスト削減や業務プロセスの改善につなげるとしています。
もう一人の共同創業者であるマット・マッキニー最高経営責任者(CEO)は、「技術の進化は想定以上のスピードで進んでいる」と指摘したうえで、「この1年間で技術投資を加速させた企業が、今後の10年間を生き残る競争優位性を築くことになる」と述べ、事業の成長に自信を示しました。
