クラウドシーディングを手がけるスタートアップ企業レインメーカーは、AIを活用した気象予測企業アトモと提携し、降水量を増加させる取り組みを進めると発表しました。
アトモは大気パターンを研究し、気象イベントを予測する技術を持ち、レインメーカーはそのデータを活用して降水量を増やす方針です。この提携により、アトモは深層学習モデルを用いて、レインメーカーがシーディングに適した雲を特定するのを支援します。また、アトモは小型ドローンを用いたレインメーカーのクラウドシーディングサービスを顧客に提供する予定です。
レインメーカーは独自のレーダーシステムから得たデータを提供し、雲がどれだけの雨をもたらしたかを測定するとしています。
最近、レインメーカーはテキサス州での洪水に関与したとの陰謀説の標的となっていますが、複数の科学者はそれを否定しています。イリノイ大学の大気科学教授ボブ・ラウバー氏は、クラウドシーディングが降水量を増やすことは可能だが、嵐の規模に比べてわずかであると述べています。
クラウドシーディングはアメリカ西部で広く利用されており、主に積雪量を増やし、夏の貯水量を増加させるために使われています。テキサス西部では夏の嵐からの降水量を増やすために使用されていますが、効果は限定的です。
レインメーカーが以前協力していたテキサス西部気象変更協会によれば、この地域でのクラウドシーディングにより、年間降水量が約15%、つまり約2インチ増加したということです。ラウバー氏は、西テキサス上空の雲は、西部アメリカの山岳地域の雲とは反応が異なるため、そのような結果になっているとしています。雨嵐はすでに多くの降水をもたらす準備ができているため、さらに反応が鈍いということです。