セキュリティコンプライアンスプラットフォームを提供するスタートアップのワンリートは、33億円(約5100万ドル)の資金調達を行ったと発表しました。この資金調達は、ドーンキャピタルが主導し、事業拡大を目指す方針です。
ワンリートの創業者であるブライアン・オネル氏は、父親が鍵職人であったことから、自身をデジタル版の鍵職人と表現しています。オネル氏は、AIを大学で学び、その後、ペネトレーションテストを行うセキュリティ専門家としてのキャリアを築きました。
オネル氏によれば、多くの企業は最低限のサイバーセキュリティ対策しか行っておらず、効果的な防御を提供するには多くの労力とツール、才能が必要であるということです。この状況を改善するため、2022年に妻のオラ氏と大学の友人であるエリック・フォーゲルザング氏と共にワンリートを設立しました。
ワンリートのプラットフォームは、ペネトレーションテスト、コードスキャン、クラウドデータセキュリティ、攻撃面管理、セキュリティトレーニングなどのセキュリティツールを統合して提供しています。これにより、企業のセキュリティ防御の実態をより正確に把握できるとしています。
今回の資金調達は、エンジニアリングチームの拡大やAI能力の向上、顧客基盤の拡大に使用される予定です。オネル氏は、セキュリティコンプライアンスの「セキュリティシアター」を終わらせることを目指していると述べています。
AIの進化により、サイバー攻撃の規模が変化しているとオネル氏は指摘しています。高度な攻撃者がサイバー犯罪を自動化し、新たな攻撃者が簡単に攻撃を仕掛けられるようになっているということです。
ワンリートは、AIをバックグラウンドで活用して脅威モデリングやセキュリティ評価を行い、ポリシーの策定も支援しています。ただし、情報の確認は人間のチームが行い、誤情報が顧客に届かないようにしています。
「優れたセキュリティは目に見えないものであるべきです」とオネル氏は述べ、企業がセキュリティを心配する時間を減らし、素晴らしい製品の開発に集中できるよう支援することを目指しています。