中国の自動車メーカー各社が、新たな収益源として人型ロボットの開発に本格的に参入していることが明らかになりました。電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(Xpeng)のロボット部門が、約1395億円の大規模な資金調達を実施したと発表したほか、他の大手メーカーも相次いで開発を進めているということです。
人型ロボットへの注目は、アメリカのテスラやボストン・ダイナミクスなどの取り組みによって高まっています。近年はロボットの物理的な能力が向上していることに加え、大規模言語モデル(LLM)のAI技術を応用することで、ロボットが複雑な作業を学習できるようになると期待されています。
こうした技術的な進歩を背景に、中国の自動車メーカー各社がロボット分野への投資を加速させています。
小鵬汽車のロボット部門は今週、9億ドル(約1395億円)以上の資金を調達したと発表しました。これにより、同部門の企業価値は63億ドル(約9765億円)を超えたとしています。今回の資金調達は、中国の「エンボディドAI(物理的な機械に組み込まれたAI)」業界において、過去最大規模になるということです。
また、中国の奇瑞汽車(Chery Automobile)のロボット部門であるAiMOGAが新規株式公開(IPO)の準備を始めたと報じられているほか、BYDも「Xiao Di」と呼ばれる人型ロボットを発表しました。このほか、長安汽車、広州汽車(GAC)、理想汽車(Li Auto)、上海汽車(SAIC)、セレス(Seres)などのメーカーも人型ロボットの開発を進めています。
専門家によりますと、小鵬汽車は中国メーカーの中でも特にテスラの動向を注視しているということです。自動車事業の利益率が低下する中、ロボット事業に将来性を見出していると指摘されています。実際、小鵬汽車の創業者らも今回の資金調達に約1億ドル(約155億円)の自己資金を投じたと報じられています。
同社は、商業利用を目的とした人型ロボット「Iron」の開発に注力する方針です。中国の自動車メーカーは製造面で強みを持つ一方で、AI技術の分野で先行するテスラに追いつけるかが今後の課題になるとしています。
人型ロボットの商業化に向けた動きは世界中で加速しています。韓国の現代自動車の傘下にあるボストン・ダイナミクスは、今年中にアメリカ・ジョージア州の工場に人型ロボット「Atlas」を導入し、2028年までに部品の配置などの作業を任せる計画です。
さらに、自動車部品大手のモービルアイがロボット関連のスタートアップ企業を9億ドル(約1395億円)で買収したほか、アメリカのEVメーカーであるリヴィアンもロボット開発に乗り出すなど、自動車業界全体でロボット技術を活用する動きが広がっています。
