アメリカ・カリフォルニア州に拠点を置くスタートアップ企業「ScrollEd(スクロールエド)」は、教科書などのテキストデータを、SNSの「TikTok」のような縦スクロール型の動画フィードに変換する新しい学習アプリを開発したと発表しました。
近年、スマートフォンでの「縦スクロール」による長時間の閲覧が集中力の低下を招くとして、社会的な課題となっています。同社は、スクロールという行動そのものをやめさせるのではなく、閲覧するコンテンツを見直すというアプローチをとっています。
開発されたアプリでは、PDFや教科書などのテキストファイルを読み込ませることで、AI(人工知能)が自動的に動画や音声、テキスト、クイズなどを生成します。画面を上にスワイプすると新しいトピックが表示され、横にスワイプすると同じトピックをより深く学習でき、最後にクイズが出題される仕組みになっているということです。
共同創業者のウツァブ・グプタ氏は、「若い世代は短い動画を縦にスクロールして視聴する傾向が強まっており、深い理解が求められる学習において課題となっている」と指摘しています。そのうえで、「若者が日常的に利用する形式に合わせて学習コンテンツを提供する」としています。
同社は、スタンフォード大学でAIなどを学ぶグプタ氏と、ペンシルベニア大学でコンピューター科学を学ぶレベッカ・ネフ氏が共同で今年設立しました。就寝前にSNSを長時間閲覧してしまうことへの不満が、開発のきっかけになったということです。
今後の事業戦略として、教育機関や企業の研修プログラム、および一般の学習者を対象にサービスを展開する方針です。基本機能は無料で提供し、高度な機能を利用できる有料プランや、教育機関向けの年間ライセンス契約を組み合わせたビジネスモデルを採用するとしています。教育機関はプラットフォームを通じて教材を配信し、学習者の進捗状況などのデータを得ることができます。
同社は今後数か月間で、一般向けサービスの立ち上げや教材ライブラリの拡充、情報の正確性を確認する仕組みの構築に注力する方針です。さらに、将来的には学習者個人のニーズに合わせて内容を調整できるシステムの開発も目指しており、「より有益なソーシャルネットワークの構築を目標に掲げている」ということです。
