アメリカの身分証明書確認サービス大手は、自社のクラウドシステムがサイバー攻撃を受け、運転免許証などの個人データが流出したと発表しました。流出したデータは1億5000万人以上に上る可能性があるということです。
同社がウェブサイトで公表した声明によりますと、ハッカーによってクラウド上から運転免許証のデータが盗み出されたということです。盗まれた情報には、氏名や運転免許証の番号のほか、パスポートなど政府が発行したほかの身分証明書の番号も含まれているとしています。
アメリカ南部ルイジアナ州に拠点を置く同社は、娯楽施設や大麻販売店などの企業向けに、顧客の身分証明書を確認するサービスを提供しています。同社は先週の時点では「事案を調査中である」と説明していましたが、今回初めてサイバー攻撃の被害を公式に認めました。
同社によりますと、9月1日ごろにハッキングに関する「情報提供を受けた」としています。これは、サイバーセキュリティ専門の独立系ジャーナリストであるブライアン・クレブス氏が、同社のデータ流出を初めて報じた日と一致しています。
クレブス氏の報道によりますと、ダークウェブ上の特定のサイトにおいて、アメリカとカナダに住む1億5000万人以上の運転免許証情報が誰でも検索できる状態になっており、顔写真の閲覧も可能だったということです。クレブス氏自身や別のセキュリティ研究者が自身のデータを確認し、情報の信憑性を裏付けています。また、このデータベースには、アメリカのピート・ヘグセス国防長官など政府高官の情報も含まれていたということです。
アメリカ国防総省は先週、このデータ流出の疑いについて事態を把握していると明らかにしました。また、FBI(連邦捜査局)の報道官も、本件について捜査を進めているとしています。
同社は現在も調査を継続する方針です。声明では、「情報のすべてにアクセスするには支払いが要求される状態だった」と説明しており、ハッカー側から身代金の要求があったことを示唆しています。現在、影響を受けた可能性のある対象者に向けて、ウェブサイト上で通知を行っているということです。同社は具体的な被害人数を明らかにしていませんが、システム上には1億5000万人以上の運転免許証データが保存されているとしています。
なお、ハッカーからデータの公開と引き換えに身代金の要求があったかなどについて、同社は一部メディアからの取材には応じていないということです。
