アメリカのIT大手アップルは、最新の「Apple Watch Series 12」および「Apple Watch Ultra 4」に搭載される新しいAI機能「オーディオ・インテリジェンス(Audio Intelligence)」の仕組みと、プライバシー保護に関する詳細な文書を公開したと発表しました。
アップルによりますと、この新機能はApple Watchのマイクや自社製半導体、そして端末内およびクラウド上のAIモデルを活用するものです。周囲の音の検知や音楽の識別を支援しつつ、すべての段階でユーザーのプライバシーを保護する方針を示しています。
「オーディオ・インテリジェンス」には、初期段階として4つの機能が含まれるということです。具体的には、「サウンド認識」、「Shazamによる自動音楽認識」、「ライブ・リワインド(Live Rewind)」、「Siriリキャップ(Siri Recap)」の4つです。このうち、「ライブ・リワインド」と「Siriリキャップ」については、今年後半に英語対応のベータ版として提供が開始されるとしています。
これらの機能はすべて、ユーザー自身が利用を選択する「オプトイン方式」を採用しています。アップルによりますと、「ライブ・リワインド」は端末側面のデジタルクラウンを意図的に2回押したときのみ作動するということです。直近15秒間の音声をテキスト化して画面に表示しますが、バックグラウンドでの継続的な文字起こしは行われません。また、ユーザーがSiriに内容を尋ねたり保存を指示したりしない限り、データは保存されない仕組みだとしています。
一方、「Siriリキャップ」は、ユーザーが指定した時間や場所などの条件に基づいて作動させることができるとしています。コントロールセンターからいつでも手動でオン・オフの切り替えが可能だということです。
プライバシーへの配慮として、誰が発言したかの特定は行わず、有害なコンテンツや機密情報は除外されるよう設計されています。「ライブ・リワインド」の作動時には、周囲の人に通知音と画面表示で知らせる機能も備えているということです。
さらに公開された11ページにわたる文書では、ハードウェアレベルでのセキュリティ対策も明らかにされています。最新の「S11」チップに内蔵された安全な領域(セキュア・エンクレーブ)で音声を処理し、古い音声データは常に新しいデータに上書きされるとしています。これにより、OSやアプリ、さらにはアップル自身であっても、生の音声データにはアクセスできない仕組みを構築しているということです。
