アメリカのIT大手アップルが発売したゴーグル型端末「Apple Vision Pro」について、製品の方向性や社内のリーダーシップを巡り、今後の戦略に注目が集まっていることが分かりました。市場関係者の間では、次期CEOと目される幹部のもとで製品戦略が見直される可能性があるとの見方が出ています。
「Apple Vision Pro」は、アップルにとって新たな製品カテゴリーの幕開けとなる次世代のコンピューティング端末として位置づけられています。しかし、多機能である一方で、それぞれの機能が十分に成熟していないとの指摘が相次いでいるということです。
具体的には、Macの仮想ディスプレイ機能や動画視聴体験は高く評価されているものの、端末の重量が長時間の使用に適していないとされています。また、多くの動画配信サービスで専用アプリが提供されておらず、文字入力や音声入力の精度など、ソフトウェア面でも課題が残されているとしています。
こうした現状の背景には、経営陣の製品に対する確信の揺らぎがあるとの見方が出ています。ティム・クックCEOは拡張現実(AR)技術を強く支持していますが、現在の端末はその足がかりに過ぎないと考えられています。
また、次期CEOの候補として報じられているハードウェアエンジニアリング担当のジョン・ターナス氏を含む複数の幹部は、開発当初、3500ドル(約54万2500円)という高価格で重量のある端末の製品化に対して懐疑的な立場をとっていたということです。
一方で、ターナス氏は現在の製品を「まだ初期段階にある」と表現し、今後の成長に期待感を示しているということです。
しかし、より安価で軽量なモデルの開発は現在保留されていると報じられています。ターナス氏を中心とした新体制のもとで製品戦略が本格的に見直され、普及に向けた改良が進むのは、早くとも2028年以降になる見通しだということです。
