アメリカのIT大手アップルが、全米で初めて労働組合が結成された直営店を閉鎖する方針を示したことに対し、労働組合側は、組合員への不当な差別にあたるとして全米労働関係委員会(NLRB)に申し立てを行ったと発表しました。
アップルは今月、メリーランド州タウソン、カリフォルニア州エスコンディード、コネティカット州トランブルにある直営店3店舗を閉鎖する方針を明らかにしました。同社は閉鎖の理由について、店舗が入居する商業施設の環境悪化などを挙げています。
このうちメリーランド州タウソンの店舗は、アメリカ国内のアップル直営店として初めて労働組合が結成された店舗であり、その動向が注目されていました。
アップルは、他の2店舗の従業員については近隣店舗への配置転換を認める方針です。一方、タウソン店の従業員については「労働協約に基づき、空きのある職種に応募する資格が与えられる」と説明しています。
これに対し、タウソン店の従業員が加入する国際機械航空宇宙労働組合(IAM)は、「組合潰しを狙った悪質な試みである」と強く反発しています。IAMは、アップルが組合員に対してのみ他店舗への異動を拒否し、不当に差別しているとして、全米労働関係委員会に不当労働行為の申し立てを行いました。
IAMのブライアン・ブライアント会長は記者会見で、「アップルは労働組合に加入している従業員に対し、他の従業員と同じ機会を与えていない。これは労働者の権利行使に対する報復であり、明確な差別だ」と非難し、方針の撤回を求めています。
一方、アップルは声明を発表し、「組合側の主張には全く同意できない」としています。同社は、「組合と合意した労働協約を引き続き遵守する」としたうえで、協約の規定に基づき、タウソン店から半径50マイル(約80キロ)以内の店舗への異動、または退職金の支給が行われると説明しています。
また、現時点で同地域に新たな店舗を開設する計画はないものの、将来的に開設される場合には、元従業員に優先的な採用権が与えられるということです。
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