アメリカのIT大手アップルの新CEO(最高経営責任者)に就任したジョン・ターナス氏は、水曜日に開かれた同社のイベント「サプライズ・アンド・シャイン」において、同社のAI(人工知能)戦略について、主力スマートフォン「アイフォーン」がすでに最適なAI端末であると発表しました。また、競合他社よりもデータプライバシーを重視する姿勢を強調しています。
今回の発言は、ティム・クック氏(現・会長)から経営のトップを引き継いだターナス氏が、AI時代における同社の競争戦略を明確に示したものとなります。アップルはAI専用の新たなハードウェアを開発するのではなく、消費者が最新技術を利用する際の中核として、引き続きアイフォーンを位置づける方針です。
ターナス氏はカリフォルニア州のアップル本社で開催されたイベントの中で、理想的なAI端末を「インテリジェント・パーソナル・ハブ」と表現しました。このような端末には、利用者の個人的な状況を幅広く理解し、常に持ち歩けることが求められるとしています。さらに、端末上でAIモデルを処理できる高性能な半導体と、クラウド上のモデルに接続するための通信機能の両方が必要になるということです。
また、周囲の状況を視覚や聴覚で認識するための大型ディスプレイや高性能なカメラ、マイクを備え、バッテリーが長持ちすることも条件に挙げています。
加えて、「学習に時間をかけることなく、非常に簡単に使えることが望ましい」と述べました。他の端末やアプリ、サービスとシームレスに連携し、一体化した体験を提供できることが重要だとしています。
そのうえで、「言い換えれば、誰もがよく知っている製品に行き着くことになります。利用者のインテリジェント・パーソナル・ハブとして、アイフォーン以上に優れた設計の製品は世界に存在しないからです」と説明しました。
さらにターナス氏は、アップルがデータプライバシーをいかに重視しているかを強調しました。「他社は利用者の個人データを収集し、保存するものだと考えている」と指摘しています。これは、アップルが自社のAI技術を競合他社とどのように差別化していくかについて、これまでで最も踏み込んだ発言の一つとなりました。
最後にターナス氏は、「自分のデータを自分で管理できなくなれば、企業への信頼には限界が生じます。だからこそ、『アップルインテリジェンス』は可能な限り端末上で処理を行うのです」と結論づけています。
