アメリカのIT大手アップルは今月、最新の基本ソフト「iOS 27」の一部として、新たな音声アシスタント「Siri AI」の提供を段階的に開始したと発表しました。一方で、利用者からは通信や機能面での不具合が指摘されており、本格的な普及に向けて課題も浮き彫りになっています。
アップルによりますと、新しいSiriは現在「ベータ版(開発途上版)」として位置づけられており、希望する利用者に順次提供されています。豊富なデータに基づく回答や、メッセージやメモの検索、画面上の情報に応じた操作が可能になるなど、機能が大幅に向上したとしています。しかし、ソーシャルメディア上では、期待された機能が十分に動作しないといった声や、日常的な利用に支障をきたす不具合が報告されているということです。
利用者の指摘は、主に5つの項目に分類されます。
1つ目は、通信接続の不具合です。Siriを起動した際、「エラーが発生しました」というメッセージが繰り返し表示されるケースが報告されています。これは、端末とクラウド間の通信トラブルが原因とみられており、アップルのサーバー側で一時的な障害が発生している可能性も指摘されています。
2つ目は、端末内データの検索に関する問題です。旧バージョンでは可能だったリマインダーへの追加や、アラームの解除ができない事例が確認されています。また、スマートウォッチ「Apple Watch」の利用者からは、「時計アプリがインストールされていない」という誤った応答が返ってくるケースも報告されているということです。
3つ目は、画面のロック解除を求められる頻度が増加した点です。新しいSiriは、利用者の個人的な情報にアクセスする際、端末のロック解除が必要になる仕様とみられています。これにより、運転中やワイヤレスイヤホンを使用している際など、ロック状態での音声操作が制限され、利便性が低下しているということです。
4つ目は、応答速度の遅れです。新しいSiriはクラウド上でのデータ処理に依存する部分が大きく、通信環境によっては応答に時間がかかるとしています。特にApple Watchでは、簡単なタイマーの設定などでも数秒の遅延が発生し、以前より処理が遅くなったという不満が寄せられています。
5つ目は、一部機能の制限と音声認識の不安定さです。ヘルスケアデータの確認など、旧バージョンで利用できた一部の機能が、現時点では未対応となっています。また、特定の言い回しに対する認識精度が変わり、これまで通りに操作できないケースがあるということです。
このほか、画面上の「Siriに頼む」というボタンが目立ちすぎることや、通知画面を表示する際の操作方法が変更されたことなど、画面表示や操作性に関する不満も上がっています。
アップルは、新しいSiriを開発途上のベータ版としており、今後のソフトウェア更新を通じて機能の追加や不具合の修正を進める方針です。10月には対応言語を拡大する計画も明らかにしています。
なお、現状の不具合を回避したい利用者に対しては、端末の設定画面にある「スクリーンタイム」の項目から、Siriのバージョンを従来の「Siri Classic」に戻す方法が用意されているということです。
